2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study on operator valued free probability, random matrices and their applications
Project/Area Number |
15K04923
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
佐久間 紀佳 愛知教育大学, 教育学部, 講師 (70610187)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自由確率論 / 無限分解可能分布 / ランダム行列 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1-1) 自由無限分解可能分布の自由畳込み半群は自由レヴィ過程の分布族と見れる. 古典確率論との対比で任意の時刻で自由レヴィ過程の分布が単峰であるとき, その自由レヴィ過程は単峰であるということとする. もしその分布(またはレヴィ測度)が対称測度であるとき, その自由レヴィ過程の分布が単峰であるための十分条件を見つけた. これは古典確率論の類似となっている. また, その過程で分布の台が有界ならば, 十分大な大きさの自由畳込みをするとその確率分布は単峰となることを示した. (1-2) 自由自己分解可能分布の解析的表現の特徴付を与え, 正規分布が自由自己分解可能分布であることを示した. これにより, 正規分布の自由レヴィ測度の形の候補がある程度絞れた. (1-3) 自由レヴィヒンチン表現の定義を緩めた際の分布の存在について.任意の自由無限分解可能分布はR変換と呼ばれる自由確率論におけるフーリエ変換の対応物, 確率分布と一対一対応の変換, に対して自由レヴィ・ヒンチン表現と呼ばれる表現をもつ. 特にそれはガウス部分, シフト部分, レヴィ測度と呼ばれる3要素をもつ. これは確率論とのキレイな類似が成り立っている. この表現を緩めたとき, その確率分布が存在するか, という問題は確率分布の分解の文脈で極めて大事な問題となっている. そのことの自由確率論における対応を考えることに着手した.これについては現時点では十分条件ですらまだわかってはいない. したがって具体例をもとにどのような場合に対応するコーシー変換が満たすべき性質のどれを持たなくなるかを調べている. 自由確率論における場合を調べた結果, いくつか共通する関数論的な性質が見えてきている. 特にガウス部分の問題はある程度の進展が見れそうである. (1-4) 自由自己分解可能分布の作用素値ケースへの拡張を調べている.
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Research Products
(8 results)