2015 Fiscal Year Research-status Report
高次元複素力学系と非アルキメデス的力学系の無理的中立周期系の解析的研究
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15K04924
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥山 裕介 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 准教授 (00334954)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 複素力学系 / 非アルキメデス的力学系 / 無理的中立周期系 |
Outline of Annual Research Achievements |
A Lehto--Virtanen-type theorem and a rescaling principle for an isolated essential singularity of a holomorphic curve in a complex space. International Journal of Mathematics, 26, No. 6 (2015) 1541009 (15 pages)においては、高次元複素解析空間への正則曲線の孤立真性特異点に対する再規格化原理を確立し、双曲的に(相対コンパクトとは限らずに)埋め込まれた複素解析空間に対するPicardの大定理およびコンパクト複素解析空間の小林双曲性のBig型Brody双曲性による特徴付けの簡明な証明を与えた。Quantitative approximations of the Lyapunov exponent of a rational function over valued fields. Mathematische Zeitschrift, 280, Issue 3 (2015), 691-706においては、複素および非アルキメデス的体上の有理関数の平衡測度に関するLyapunov指数の非超吸引的周期系の乗法因子の絶対値の対数の平均による近似公式の指数的誤差評価を行った。Effective divisors on the projective line having small diagonals and small heights and their application to adelic dynamics. Pacific Journal of Mathematics, 280 (2016), 141-175においては、算術的等分布定理を小さい高さを持つ代数的数のGalois軌道列より一般的に小さい高さと小さい対角線を持つ有効因子列に対し確立し、応用として複素および数論力学系の特異領域における非定数有理関数の近似度の評価を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
複素および非アルキメデス的力学系の無理的中立周期系の等分布現象の定量化を通じた理解が順調に進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に得られた結果を基にして、引き続き複素力学系の研究者のみならず、国内外のネヴァンリンナ理論、数論幾何、非線型ポテンシャル論、リーマン幾何、複素多様体論、多変数函数論などの研究者と交流しながら、複素力学系の無理的中立周期系の解析的線型化問題を最良の形で解決することを最大の目的として研究を推進する。
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Causes of Carryover |
平成28年度前期にAmiens大学において複素および非アルキメデス的力学系のパラメーター空間の定量的研究に関する研究打ち合わせを行う必要が生じた為。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度前期にAmiens大学において複素および非アルキメデス的力学系のパラメーター空間の定量的研究に関する研究打ち合わせを行うために使用する。
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Research Products
(8 results)