2018 Fiscal Year Research-status Report
高次元複素力学系と非アルキメデス的力学系の無理的中立周期系の解析的研究
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15K04924
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥山 裕介 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 准教授 (00334954)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 複素力学系 / 非アルキメデス的力学系 / 無理的中立周期系 |
Outline of Annual Research Achievements |
Discontinuity of a degenerating escape rate. Conformal Geometry and Dynamics, 22 (2018), 33-44においては、Laura DeMarco教授と共同で単位開円盤でパラメトライズされた原点でのみ退化しうる有理型d次複素一変数有理関数族から定まる中心破単位開円盤上のLyapunov指数函数の原点を越えた連続拡張可能性問題を否定的に解決した。Nevanlinna theory and value distribution in the unicritical polynomials family. Rivista di Matematica della Universita di Parma, 9, No. 1 (2018), 1-19においては、モニックかつ中心化された単分岐d次複素一変数多項式族のパラメーター空間における(超)吸引周期系を持つ多項式に対応するパラメーターの分岐測度への定量的等分布現象をNevanlinna理論の観点から誤差のオーダー評価における隠定数の明示計算を行いながら精密化した。Degeneration of quadratic polynomial endomorphisms to a Henon map. Indiana University Mathematics Journal, to appearにおいてはFabrizio Bianchi教授と共同で2次複素Henon写像に中心で退化する単位開円盤でパラメトライズされた非例外型のC2の2次多項式自己射族から定まる中心破単位開円盤上のLyapunov指数函数の原点付近での調和拡張を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
複素力学系の退化と分岐およびリヤプノフ指数関数の連続拡張性問題に関する研究を通じて無理的中立周期系の定量的理解が順調に進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度に得られた結果を基にして、引き続き複素力学系の研究者のみならず、国内およびフランス、英国、アメリカ、イタリア、フィンランド等国外の代数的整数論、数論幾何、ネヴァンリンナ理論、多重複素ポテンシャル論、非アルキメデス的解析関数論等の研究者と交流しながら、複素力学系の無理的中立周期系の解析的線型化問題を最良の形で解決することを最大の目的として研究を推進する。
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Causes of Carryover |
複素力学系の有理型退化族に付随するLyapunov指数関数の漸近挙動と非アルキメデス的力学系に関するLaura DeMarco教授との共同研究を継続しており研究打ち合わせのため2019年度にNorthwestern Universityに海外渡航するために使用する。
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Research Products
(8 results)