2015 Fiscal Year Research-status Report
マルコフ過程の経路のSemi-Dirichlet形式を用いた汎関数解析
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15K04941
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
上村 稔大 関西大学, システム理工学部, 教授 (30285332)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Dirichlet 形式 / 純飛躍型マルコフ過程 / 再帰性 / 容量不等式 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度において,交付申請書に記載した「研究実施計画」が以下のように達成された.
京都工芸繊維大学教授 大倉弘之氏とともに,一般の測度付き距離空間上において定義された飛躍率 j(x,y) をもつ対称な正則 Dirichlet 形式に対する容量不等式を導出することが出来た.その副産物として,対応する純飛躍型マルコフ過程の再帰性の条件を容量不等式の評価を用いて行うことが出来た.これは,大倉氏の従前の結果を改良するとともに,以前,東北大学准教授正宗淳氏及び福建師範大学教授 王建氏と行った共同研究において得た結果の拡張となっている.これらの結果は, 学術雑誌 「Forum Mathematicum」の第 27巻 (2015)に発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大倉氏との共同研究において,大倉氏によって得られていたこれまでの結果について今回改めて検討を行い,氏により提案されていた容量不等式を改良することが出来た.さらに,それを用いることにより,広範なクラスの純飛躍型Dirichlet形式の大域的性質の検討が可能となった.
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Strategy for Future Research Activity |
大倉氏と行った共同研究の結果は,正則で対称なDirichlet形式に対応するマルコフ過程,詳しくは純飛躍型マルコフ過程の大域的性質の一つである再帰性の条件を,容量不等式を用いて導出したことである. 今後は,この結果を対称とは限らないDirichlet形式に対応するマルコフ過程についても同様の結果を得ることが出来るかの検討を行う.
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Causes of Carryover |
2015年8月に開催した「Summer School on Dirichlet Forms and Stochastic Analysis at Kansai University 2015」に招待予定の研究者数名が,急きょキャンセルとなり,科研費から彼らの旅費の補助を予定していたため,その分が次年度の使用額として生じてしまった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
5月に,ドイツ・ドレスデン工科大学において,当該研究課題に関連した Workshop 「Stochastic Analysis and Related Topics」が開催され,この研究会に参加・講演を行うための渡航費用として既に一部使用をした.10月には,関西大学において確率解析に関するワークショップの開催を予定しており,ヨーロッパやアジア各国の研究者を何名か招へいすることにしている.そのための渡航費用として使用予定である.また,2017年3月には,東北大学において「Dirichlet Forms Sessions」と題した研究会及びSchoolを東北大学准教授 正宗 淳氏と開催予定にしている.特に,この研究会において,昨年度 招へい予定であった研究者を改めて招へいして,その招へいのための旅費として次年度使用額が生じた分と合わせて使用予定にしている.
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Research Products
(5 results)