2015 Fiscal Year Research-status Report
曲面に関連した特異積分とトリーベル・リゾルキン空間の研究
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15K04942
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
薮田 公三 関西学院大学, 数理科学研究センター, 客員研究員 (30004435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 和明 関西学院大学, 理工学部, 教授 (40195277)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 実函数論 / 実解析 / 函数解析学 / 調和解析 / フーリエ解析 / 特異積分 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,Φをn次元ユークリッド空間R~nからR~dへの写像で,ΩをR~nの単位球面上の可積分函数で積分平均0,h(t)を1変数函数として,曲面{(x,y)∈R~d×R~n;x=Φ(y)}に関連した特異積分作用素 T_{Ω,Φ,h}f(x)=p.v.∫_{R~n}h(|y|)Ω(y)|y|~{-n}f(x-Φ(y))dy, x∈R~d および,そのベクトル値版であるリトルウッド・ペーリー作用素,とくにマルチンキエヴィッチ積分作用素のトリーベル・リゾルキン空間での性質を,核函数Ω(y),揺らぎ函数 h(t),R~nからR~dへの写像Φに種々の条件{(i) d=n, Φ(y)=φ(|y|)y'),φ(t)が適当な条件を満たす. (ii) d=n+1, Φ(y)=(y, φ(|y|))でφ(t)が適当な条件を満たす.(iii) d>nでΦ(y)=(P_1(y),P_2(y),...,P_d(y));P_j(y)多項式}を与えてTのトリーベル・リゾルキン空間での有界性などの性質を調べることが目的である.初年度の今年は,以下の結果を得た. 1.(i)について, Triebel-Lizorkin space boundedness of Marcinkiewicz integrals associated to surfaces. Appl. Math. J. Chinese Univ. Ser. B 30 (2015), no. 4, 418-446 を発刊できた. 2.曲面に直接関連したものではないが,ベクトル値多重線形特異積分である多重線形リトルウッド・ペーリー函数のLp有界性を論じる結果を得た.研究発表欄に記したように次の表題の論文として学術雑誌に掲載された.S. He, Q. Xue, T. Mei, K. Yabuta, Existence and boundedness of multilinear Littlewood-Paley operators on Campanato spaces. J. Math. Anal. Appl. 432 (2015), no. 1, 86-102および Q. Xue, X. Peng and K. Yabuta, On the theory of multilinear Littlewood-Paley g-function. J. Math. Soc. Japan 67 (2015), no. 2, 535-559. 3. 連携研究者の佐藤秀一氏が,曲面に直接関連したものではないが,研究成果欄に記したように,ベクトル値特異積分であるリトルウッド・ペーリー函数についての新知見を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画では「曲面に関連した特異積分T_{Ω,Φ,h}とトリーベル・リゾルキン空間について,過去の結果の整理・精査を行うと共に,(ii) d=n+1, Φ(y)=(y,φ(|y|))の場合について研究深化を計り,さらに,重要な核函数の空間F_alpha(S~{n-1})と我々が主に扱ってきた核函数の空間WF_beta(S~{n-1})の包合関係をより明確にする.」であったが,結果として,この面では進展をはかることができなかった.しかし,(i)の場合の研究進化に貢献でき,望ましい方向に進展しているということで,表記のように自己評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
28年度の計画通り,(ii)の研究が思ったように進展しなかったので,関連した過去の結果を更に調査し,新たなアイデアを開発し引き続き(ii)の研究を続ける.と同時に,(i)の研究を更に進める.このため,この分野の文献調査を行いつつ種々の試行考察を関数近似論への応用(研究分担者北原和明氏担当)を含めて行う.その際,国内の調和解析分野の研究者とのアイデアの交換・討論により研究進展を図る.また,北京師範大のXue教授・Ding教授とのアイデアの交換・討論もこれまでと同様に引き続き行う.
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Causes of Carryover |
計画していた研究集会参加のための費用には大きく不足する金額しか残らなかったので,次年度に繰り越した方がより有効に使用できると判断した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗図書費および印刷費として使用する計画である.
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Research Products
(4 results)