2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K04949
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
藤田 安啓 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 教授 (10209067)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 対数型 Sobolev の不等式 / Lipschitz 定数 / 下からの評価 / Borell-Brascamp-Lieb / GNS の不等式 / 精密化 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は2つの結果を得ることができた。そのことについて概要を説明する。 まず、ひとつ目は対数型 Sobolev の不等式を用いて Cauchy 問題の解の Lipschitz 定数を下から正の定数で評価する方法を確立したということである。Lipschitz 定数を上から正の定数で評価する方法は従来より知られているが、下から評価する方法はほとんど知られていなかった。下から評価することによる利点は、解の Lipschitz 定数の評価が最適か否かを判定できることにある。今回、対数型 Sobolev の不等式を用いて、Cauchy 問題の偏微分方程式が放物型方程式と時間発展を伴う Hamilton-Jacobi 方程式について、上記の最適性を判定した。本論文は昨年の11月に投稿して、 revised を経て再投稿した。 次は、改良された Borell-Brascamp-Lieb の不等式を用いて、Gagliardo-Nirenberg-Sobolev の不等式を精密な形で求めるというものである。Gagliardo-Nirenberg-Sobolev の不等式は偏微分方程式の研究で正則性を図る際に重要な不等式である。このために、従来から知られていた Borell-Brascamp-Lieb の不等式を改良して、Gagliardo-Nirenberg-Sobolev の不等式で等号が成立する場合を含む形で、Gagliardo-Nirenberg-Sobolev の不等式を改良した。本論文は近々投稿する予定である。なお、本論文はフランス人たちとの共同研究であり、その中には一昨年度に富山に来てもらった Lyon 大の Ivan Gentil 氏を含む。他の研究者は、Francois Bolley, Dario Cordero-Erausquiny,Arnaud Guillin 氏である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね研究は順調に進展している。というのは、研究実績の概要に書いた2つの結果が本科研費の研究目的として達成したかった研究内容であるからである。あとは、この2つの研究内容に関する論文が本年度中に(少なくとも)accept まで行くかである。これらが accept されれば研究は満足のうちに完了したと言える。最初の論文については revised を完了させて 5/1 に再投稿した。2つ目の論文はフランス人たちともよく話し合って、適切な投稿先を見つけて早めに accept を勝ち取りたい。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の現在までの進捗状況にも記載したように、研究実績の概要に書いた2つの研究内容に関する論文が本年度中にaccept まで行くようにしたい。最初の論文についてrevised を完了させて 5/1 に再投稿した。2つ目の論文はフランス人たちともよく話し合って、適切な投稿先を見つけて早めに accept を勝ち取りたい。
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