2017 Fiscal Year Annual Research Report
Deepening and application of a theory for the logarithmic Sobolev inequality
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15K04949
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
藤田 安啓 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 教授 (10209067)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 対数型 Sobolev の不等式 / 下からの評価 / Cauchy 問題 / gradient / 減衰率の最適性 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、研究当初から目的としていた対数型 Sobolev の不等式を用いて、gradient の sup ノルムの下からの評価を完成してそれを論文として発表することができた(A lower bound of L∞-norm of gradients for Cauchy problems, Journal of Mathematical Analysis and Applications 458 (2018), 910-924)。通常、gradient の sup ノルムの上からの評価は多くの論文で調べられているが、下からの評価の研究はほとんど見当たらない。下からの評価ができると上からの評価と合わせて、例えば Cauchy 問題の解の減衰率の最適性を示すことができるという意義を持っている。上記論文では、実際の Cauchy 問題として, Hamilton-Jacobi 方程式と放物型方程式に対する Cauchy 問題をそれぞれ考えて、各々の場合の解の減衰率の最適性を示すことができた。
これが完成したことで申請時に書いた目的がほとんど達成できて研究は十分な成果を上げて完了できたと言えると思う。ただ、この結果はもう少し早い段階で論文にできると思っていたが、論文投稿から accept までに長い時間がかかってしまった。このため、当初考えていた ∞-Laplacian の角錐型函数の特徴づけなどに手が回らなかった。これについては、今後の研究の一つの課題としていきたい。
以上が今年度の成果の概要であるが、上記論文が Journal of Mathematical Analysis and Applications という然るべき雑誌に発表できたことは成果として良かったと考える。
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