2016 Fiscal Year Research-status Report
遅延フィードバック制御における安定化理論の構築とその応用
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15K04953
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
宮崎 倫子 静岡大学, 工学部, 教授 (40244660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泰中 啓一 静岡大学, 創造科学技術大学院, 客員教授 (30142227)
内藤 敏機 電気通信大学, その他部局等, 名誉教授 (60004446)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | 関数方程式 / 遅延型微分方程式 / 周期系 / 安定性 / 制御 / スペクトル解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究計画として,当初から以下の3点を挙げていた: P1)制御ゲインに対する可換条件を排除した場合の安定化条件の導出. P2)遅延時間に誤差を持つDF制御方程式の周期解の存在証明への手掛かりの模索. P3)生態系システムの自己調節機能としてのDF制御法の意味づけ P1)については,昨年度得られた知見について,可換条件を付した場合の安定化可能な特性乗数に対する必要十分条件の証明の不備が見つかりそれを修正し投稿準備ができた.また,本結果をもとに,可換条件を排除した場合について,可換条件を付した場合の具体例を用いて上記条件がどのように変化するかについて,具体例を用いての数値的検証に着手した.また,昨年度新たな視点として追加した,離散系に対する検討の第一段階として,エノン写像に対する遅延フィードバック制御の安定化可能性について,可換条件を付した場合について検討を行った.P2)に関連して,昨年投稿した非線形摂動項を含む周期系発展方程式の周期解の存在と解の表現についての論文が掲載に向け受理された.また,線形主要項のスペクトルと周期的摂動項のスペクトル及び時間遅れについての関連性に着目し解析を試みることとした.その手始めとして,時間遅れがない場合についての関連性についてまとめ投稿中である.また,P1と同様,遅延時間の誤差についても数値的検証の準備を行った.P3)については,実際の生態システムで見られる周期的変動についての研究グループとともに,研究に着手し数学的解析部分を担当しその成果が専門誌に出版された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来の計画のうち,もっとも重視したいP1のH27年度成果に不十分な点が見つかりその修正に時間を要ししたため.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度でもあるため,当初の計画のうち,特にP1の数値的検証を進めていく.その際, ・安定化成功の評価基準 ・時間遅れを持つ線形システムのスペクトルの数値的近似手法 について整備していく必要がある.それらを遂行するため,平均化法さらにはフーリエ解析などの適用を検討していく.
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Causes of Carryover |
昨年度の成果の修正に時間を要したため,新たな研究着手への研究打ち合わせ旅費を十分に消化できなかったこと.国際会議への参加が研究協力者(申)のみの参加となったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
数値計算を強化するため,パソコンを購入する. 分担者との研究打ち合わせを8月,9月に集中的に実施する.
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