2017 Fiscal Year Annual Research Report
Global theory of the Kirchhoff equation
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15K04967
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
松山 登喜夫 中央大学, 理工学部, 教授 (70249712)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Kirchhoff方程式 / Gevrey空間 / 時間大域解 |
Outline of Annual Research Achievements |
Kirchhoff方程式は1883年に振動する弦の運動を記述する方程式としてKirchhoffが提唱し、 1940年にBernsteinによる時間大域的実解析解の存在が証明されて以来、多くの研究者が実解析的クラスを拡張する試みを与えたが未だに満足の行く結果が得られていないのが現状である。Gevrey空間は実解析的クラスと無限回微分可能な関数空間との間にある関数空間で、Kirchhoff方程式をGevrey空間で考えることは自然な流れである。この問題は本研究の主要な課題である。本研究では未だに究極の目標には達していないが、かなり近づいてきている。平成28年度は semiglobal solution の存在の証明に成功しこの結果の速報は平成29年に C. R. Acad. Sci. Paris から出版され、また full paper は平成32年度に J. Anal. Math. から出版される予定である。この結果は国内外の研究集会や国際会議で発表し当該分野の研究者らと討論した。研究最終年度である今年度は目標としているKirchhoff方程式の Gevrey空間における時間大域可解性の証明に着手したものの未だに成功に至っていない。この問題は今後の継続課題とする。一方で波動方程式の外部問題における分散型評価式や局所エネルギー減衰を考える際、Besov 空間の基礎理論が必須であるが、 岩渕司氏と谷口晃一氏との共同研究をとおしてDirichlet Laplacianのfunctional calculusを基礎に領域上でのBesov空間の定義を与えることに成功した。以上述べた結果は国内外の研究集会で発表した。
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