2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K04968
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| Research Institution | Tokyo University of Science |
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Principal Investigator |
太田 雅人 東京理科大学, 理学部第一部数学科, 教授 (00291394)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 非線形シュレディンガー方程式 / 調和ポテンシャル / 定在波 / 不安定性 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
非線形シュレディンガー方程式の定在波解の不安定性について研究を行い、以下のような成果を得た。
定在波解のどんな近くにも有限時間で爆発する解が存在するとき，その定在波解は強い意味で不安定であるという。単一冪型非線形シュレディンガー方程式に対するBerestycki-Cazenave (1981) による古典的な手法が直接適用できる場合を除き、定在波解の強い意味での不安定性については本質的な進展はなかった。例えば、質量劣臨界と優臨界の2つの引力的冪型非線形項を持つ非線形シュレディンガー方程式やデルタ関数ポテンシャルを含む非線形シュレディンガー方程式のように、振動数に応じて、定在波解の軌道安定性と軌道不安定性が変わるような場合には、軌道不安定な定在波解が強い意味でも不安定かどうかは長い間、未解決の問題であった。
質量劣臨界と優臨界の2つの引力的冪型非線形項を持つ非線形シュレディンガー方程式やデルタ関数ポテンシャルを含む非線形シュレディンガー方程式に対しては、研究代表者と山口崇博氏による最近の研究により、軌道不安定な定在波解の強い意味での不安定性は肯定的に解決されたが、調和ポテンシャルを含む非線形シュレディンガー方程式に対しては、その手法は適用できず、本研究課題の重要な研究目的であった。
今年度、調和ポテンシャルを含む非線形シュレディンガー方程式の軌道不安定な定在波解の強い意味での不安定性問題に取り組み、証明することに成功した。調和ポテンシャルを含む非線形シュレディンガー方程式はボース・アインシュタイン凝縮のモデルでもあり、解の有限時間爆発と不安定な定在波解の関係を明らかにしたという点で意義が深いと考えている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した「研究目的」のうち、最も重要な課題であった、調和ポテンシャルを含む非線形シュレディンガー方程式の軌道不安定な定在波解の強い意味での不安定性を証明することができたため。
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| Strategy for Future Research Activity |
調和ポテンシャルを含む非線形シュレディンガー方程式の定在波解の強い意味での不安定性の証明を再検討し、質量劣臨界と優臨界の2つの引力的冪型非線形項を持つ非線形シュレディンガー方程式やデルタ関数ポテンシャルを含む非線形シュレディンガー方程式の定在波解が強い意味で不安定となるための十分条件の改良に取り組む。
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| Causes of Carryover |
2016年9月に京都大学で開催した国際研究集会 Nonlinear Wave and Dispersive Equations, Kyoto 2016 の招待講演者の旅費を組織委員で分担したため、本研究課題からの支出額が当初の予定よりも若干少なくなったため。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内および外国出張旅費として使用する計画である。
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