2016 Fiscal Year Research-status Report
| Project/Area Number |
15K04972
|
|---|
| Research Institution | Ryukoku University |
|---|
Principal Investigator |
四ツ谷 晶二 龍谷大学, 理工学部, 教授 (60128361)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 善久 龍谷大学, 理工学部, 教授 (10192783)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
| Keywords | 非線形境界値問題 / 完全楕円積分 / 楕円関数 / 交差拡散方程式 / 反応拡散方程式 / 極限方程式 / 弾性曲線 / 線形化固有値問題 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
cross-diffusion 方程式(交差拡散方程式)において交差拡散の効果を無限大とした，空間１次元極限方程式の定常解の存在・非存在・一意性・多重度について，昨年度に引き続き詳細で膨大な計算を行なった．この結果，これらは複数の論文に分けて発表せざるを得ないことが判明しまとめる作業を開始した．また，安定性を調べるための数値計算を行なった．
細胞極性を記述するある数理モデルにおいて，拡散係数を無限大とした定常極限方程式のすべての解の大域的構造を解明を行なった．昨年度，楕円関数によるすべての解の表示をもとに解の全体をあらわす曲面(bifurcation sheet) の表示式を得ている．この曲面を数式処理ソフトを利用して数値的に調べ，それをもとに，曲面の等高線を数学的に解析して，解の存在・非存在・一意性・多重度を明らかにした．これは，久藤教授，森博士，辻川教授との共著論文として発表した．また，安定性・不安定性を調べるための数値計算を行なった．また，関連する非局所項を含む Allen-Cahn 方程式の定常解の大域的分岐構造を検討した．
周期境界条件下での微分非線形シュレディンガー方程式の進行波の分類については，全体を調べはじめたところ，当初想像していたより複雑なことが数値的にわかった．
線形化固有値問題については，従来困難と思われていた，重要で典型的な Neumann境界条件下での空間１次元Allen-Cahn方程式の線形化固有値問題の，固有値・固有関数の楕円関数を用いた表示式を求めて，固有値の漸近公式，固有関数の極限形状を明らかにした．これを若狭准教授との共著論文として発表した．
さらに代表者・分担者・台湾の J.S.Guo 教授(淡交大学)は，quenching 問題についての，共著論文を発表した，また分担者は新城博士と質量保存をもつ反応拡散方程式の共著論文を発表した．
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の３つの研究目的である，cross-diffusion 方程式に関すること，細胞極性を記述する数理モデルに関すること，Neumann境界条件下での１次元Allen-Cahn方程式の線形化固有値問題の固有値・固有関数の楕円関数を用いた表示式を求め固有値の漸近公式や固有関数の極限形状を明らかにすることは，ほぼ予定通りに研究を遂行できた．
周期境界条件下での微分非線形シュレディンガー方程式については，解全体の構造をみるために大量の数値実験を行ない，想像していたより複雑なことがわかったが，これを克服する検討を行なっているところである．これについては，予定よりやや遅れている．
|
| Strategy for Future Research Activity |
若干の遅れはあるものの，当初の研究計画通りにほぼ進んでいる．遅れた部分は，下記の今年度の研究予定と密接な関連があるものなので，そこでとりかえしていきたい．
cross-diffusion 方程式の時間発展極限方程式の定常解の安定性・不安定性についての，数値実験を行ない，理論的な解析を行なう．さらに，cross-diffusion 方程式と３種系との関連性を利用してcross-diffusion方程式の大域的構造から３種系を理解していく．
ある非局所項を含む Allen-Cahn方程式のすべての解の楕円関数による解表示を求め，解の大域的分岐構造の解析，および，解の形状の詳細を明らかしていく．
重要で典型的で非線形境界値問題の線形化固有値問題の固有値・固有関数の楕円関数を用いた表示式を活用し，非線形項の形の違いと固有関数の極限形状の違いの関連性を調べる．
供給項をもつ Gierer-Meinhart系の shadow systemに対して，すべての解の楕円関数を用いた表示式を得ている．これを活用し大域的分岐構造と極限形状解明をすすめる．
さらに，周期境界条件下での微分非線形シュレディンガー方程式の進行波の分類を引き続き検討していく．
|
| Causes of Carryover |
交付申請書の平成28年度の直接経費計1,635,980円，品目別内訳は，物品費100,000円，旅費800,000円，人件費・謝金50,000円，その他50,000円であった．しかし，直接経費支出額計1,241,640円，品目別内訳は，物品費45,346円，旅費1,192,294円，人件費・謝金0円，その他4,000円であり，差異は 394,340円である．差異の最も大きなものは旅費であり，次に物品費，人件費・謝金，さらにその他である．
旅費の差異の原因は，共同研究者を含めた成果発表のための国際研究集会出張経費である．物品費，人件費・謝金は，次年度以降での数値計算遂行のために節約した．
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は成果発表と最新情報交換のための出張を積極的に行ない，同時に数値計算を組織的に行ない新しい事実を発見し，それをもとに数学的な解析をすすめていきたい．
これらのために，請求した助成金とあわせて，次年度使用額 394,340 円を有効に使う計画である．
|
Research Products
(26 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Cross diffusion models in population biology2016
Author(s)
Y. Lou, W.-M. Ni, M. Winkler and S. Yotsutani
Organizer
The 11th AIMS Conference on Dynamical Systems, Differential Equations and Applications
Place of Presentation
Hyatt Regency Orlando,Florida, USA
Year and Date
2016-07-01 – 2016-07-05
Invited
-
-
-
