2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K04976
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
新谷 誠 静岡大学, 情報学部, 教授 (70303526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 昌晃 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (90292408)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | グラフ表現 / 有限環 / 誤り訂正符号 / 互いに不偏なアダマール行列 / 分類 |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフ表現を用いて、有限環に関連する誤り訂正符号と連立差集合を研究した。主な結果は次のとおりである。1. 4 を法とする剰余環上の符号のグラフ表現による分類方法を提案した。この方法により、長さがあまり大きくない場合の自己補符号のある類の分類を完成させた。2 元体上および 4 を法とする剰余環上の自己補符号から互いに擬不偏なアダマール行列の構成方法を与えた。その結果、符号理論による方法を用いることで、互いに擬不偏なアダマール行列の個数の上限を与えた。2. 複素球面上の2-符号のある類と関連した交代連立差集合を点の個数が51以下の場合に、提案したアルゴリズムにより完全に分類した。また、交代巡回D-最適デザインについても点の個数が110以下の場合に完全に分類した。3. アーベル群としての生成元の個数が少ない場合に、構造定数の可能性をすべて列挙する方法により位数2の6乗の有限環の分類を行った。結果として、生成元の個数が3以上6以下の場合について分類を引き続き行えばよいことがわかった。ここで、研究 2 と 3 において提案したアルゴリズムを実装して、本予算で購入したコンピュータを利用して分類を行っている。1 と 2 については須田庄(愛知教育大学)と原田昌晃(東北大学)と共著で論文を作成し、それぞれ Mathematics of Computation と The Australasian Journal of Combinatorics に受理されている。特に、4 を法とする剰余環上の符号の符号のグラフ表現による同型判定方法は顕著な結果と言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. 4 を法とする剰余環上の符号の符号のグラフ表現による分類方法を完成させた。2. 位数が2の6乗の有限環の分類は生成元の個数が2の場合に完成している。現在の方法では可能性が非常に膨大となり、計算困難であることがわかっている。3. 存在が予想されている点と線の個数が 70 の対称なパーシャル幾何を、グラフ表現を用いてその20パーセントまで同値判定を行い分類が完成している。計画の 2 に関しては当初の計画を前倒ししていて、他の研究も進んでおり、ほぼ予定通りといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況の 2 に関しては、有限環が直既約加群の場合のみを考えればよいので、生成元と関係式から直既約であるための条件を求める方法が考えられる。この方法と平行して、ヤコブソンイデアルという部分構造を分類しそれを拡大する方法を提案することを考えている。さらに、Szele 行列に関しても同様に直既約であるための条件を求める方法が考える。現在までの進捗状況の 3 に関しては、ある程度の大きさの自己同型を持つと仮定する方法で進める。
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Causes of Carryover |
研究発表を行うことができなかったために、旅費として予定した予算は半分ほど残った。研究計画の2年目以降にスーパーコンピュータ利用して多くの計算をするために、次年度に予算を繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画に従い、スーパーコンピュータ利用費に充てる。研究発表と研究打合せの旅費として利用する。
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