2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K04992
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
石村 直之 中央大学, 商学部, 教授 (80212934)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リスク管理 / 数理ファイナンス / 保険数理 / 発展方程式 / コピュラ / VaR |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度の主な成果は,数理ファイナンスにおける非線形問題を扱う上で主要な概念であるVaR(ヴァリューアットリスク)の,コピュラと関連した多変数拡張について具体的な計算結果を導いたことである。今後さまざまな数理ファイナンス分野へ応用できる可能性を秘めており,さらに詳しく解析を行う方向性が見えてきた。偏微分方程式への応用についても可能性を見出している。 また,伝染病発生に対するリスク評価に関して,アジア地域に特異な状況を考慮したモデルを考察した。その成果は,2017年8月上旬にシンガポールで行われた国際会議で公表した。好意的な意見も多かったが,今後の解析に対する示唆も得た。同様の内容は,2018年3月のハワイでの国際会議でも公表した。 論文面では,昨年度の主要成果である2つの独立した離散過程のもとでの伊藤の公式の類似物とその収束に関する論文が,国際雑誌ANZIAM Journalに掲載された。また,コピュラの発展方程式とその為替変動解析に対する応用に関するまとめの論文が,Wileyの国際雑誌Intelligent Systems in Accounting, Finance and Managementへの掲載が決定した。この内容では,ひとまずの達成を果たしたと考えている。今後は別の方面への応用を探りたい。さらに講演面では,東京大学数理科学研究科での一般公演へ招待され,社会科学に現れる微分方程式について講演を行った.さらに,2018年1月タイで行われた国際会議で招待講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既存結果の国際雑誌への掲載が決定したり,さらには応用への成果が期待されるVaRのコピュラと関連した多変数拡張への研究が開けたこともあり,順調な進捗が認められるため。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的にここまでの研究の手法や方向性で特に問題はないと考えられる。重要な指標であるVaRに関して,コピュラと関連した多変数拡張への研究は,強力に推進すべき課題と考えられる。
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