2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study on nonlinear partial differential equations arising in the mathematical finance
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15K04992
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
石村 直之 中央大学, 商学部, 教授 (80212934)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コピュラ / 順位相関 / 非線形 / 発展方程式 / VaR |
Outline of Annual Research Achievements |
1.コピュラの発展方程式の研究 数理ファインナンスにおける非線形偏微分方程式のうち,コピュラの発展方程式に関して研究を続けた。コピュラは,必ずしも独立とは限らない現象の非線形関係を表す関数である。柔軟性のある概念であり,現在では定量的なリスク管理の研究において極めてよく用いられている。通常は静的な状態を記述するが,研究代表者はコピュラの発展方程式を考案し,非線形な関係性の時間依存の記述を試みた。連続過程の解の存在と時間無限大での挙動の決定に成功した。また,離散過程の発展方程式から,ある種の極限を考えることで連続過程の方程式が導かれることを示した。さらに,このコピュラの発展方程式の概念を用いて,為替変動の実証研究を行った。今年度は,これらのひとつの集大成である論文が出版された。 2.コピュラを用いたVaRの研究 VaR(Value at risk)は,リスク量を表す代表的な指標の一つである。その簡便さと用いやすさから現在ではリスク管理の研究と運用において必須の概念となっている。この研究では,ポートフォリオ問題のVaRを評価する問題において,コピュラを用いたVaRの導入を行った。ポートフォリオ問題では,リスク量の非線形な関係が重要であり,よって非線形関係を表すコピュラとの結びつきは研究されるべき課題であった。非線形な相関が,リスク評価に与える影響は存在することを明示した。今回の成果はコピュラとVaRの一つの方向性を示すものである。ただ,偏微分方程式との関連は今後の課題となっている。
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Research Products
(4 results)