2015 Fiscal Year Research-status Report
非加法的測度による積分を用いた数理モデルの構築とデータ解析への応用
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15K05003
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
本田 あおい 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (50271119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乃美 正哉 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 助教 (50208302)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 非加法的測度 / 包除積分 / Lp空間 / 主観的評価問題 / 多変量解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は2010年に包除積分という非加法的測度による積分の新しいクラスを導入した。このクラスはルベーグ積分や、非加法的測度による積分として最もよく知られているショケ積分を含む自由度の高いクラスである。非加法的測度による積分を通した非加法的測度空間論の構築と、この積分の応用としてデータ解析手法を考案することが本研究の目的である。本研究費のお蔭で初年度からいくつかの研究成果を得ることができた。国際会議と国内研究会で発表した成果の他に、投稿中の論文や未だ論文の形になっていない研究成果がいくつかある。ここでは、国際会議、及び研究集会にて発表した成果の概要を述べる。 1.積分が非負性、単調性を満たすための多項演算の十分条件、及び、優加法性、劣加法性を満たすための多項演算の十分条件を示した。包除積分は自由度が高く記述性に富む一方で、積分の同定のためには非加法的測度と多項演算を定める必要があり、どのように決定するかが課題であった。この課題の解決に一歩踏み出したといえる。 2.非加法的測度による積分の性質を明らかにするため、ショケ積分に基づくLp空間、及び双対Lp空間の線形性と位相的な性質を考察した。特に、Lp空間が線形であること、及び、双対Lp空間が完備距離空間であることを証明した。 3.非加法的測度の応用として、CGアニメーションの動作作成を対象とした研究に着手した。当該年度は種々の歩行動作と48個の形容詞の間の印象についてアンケート調査を行い、CGアニメーションの歩行動作に対して形容詞を用いて直感的に調整可能な入力インターフェースの構築を行った。複数の被験者を対象にユーザビリティテストを行い、従来手法よりも短時間で目標動作を作成することができることを確認し、この結論の妥当性を統計的に示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非加法的測度論の理論研究と非加法的測度を用いた具体的なデータ解析手法の構築、及び、実際の問題を対象にした提案手法の有効性の検証という3つの研究について成果を相互に作用しながら研究を進捗させ、それぞれ成果発表をすることができた。理論研究は国内研究会4件、及び国際会議1件(予定)、データ解析手法構築は国内研究会3件、国際会議2件の発表を行うことができ、それぞれ、予定通りに順調に成果をあげることができた。実データ解析に関しては、当初、疾病の検査データから進行度の予測モデルの構築することを目標としていたが、都合により医療データの利用ができなくなったため、CGアニメーションの主観評価の研究をより拡大することにした。予定していたアニメーションの評価に加え、直感的な動作生成インターフェースのための数理モデルの構築を目指し、データ収集やインターフェースの構築を行い、国内研究集会1件、国際会議1件(予定)と順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、計画通りに研究を行う。 1.包除積分で用いる多項演算にパラメトリックt-ノルムを利用し、包除積分の自由度が高さを保存し、なおかつ扱いやすい積分のクラスを導入する。2016年度には多項関数t-ノルムのパラメータと非加法的測度の決定方法、及び実現可能な具体的アルゴリズムを考案する。 2.ショケ積分に基づくLp空間、及び双対Lp空間の線形性と位相的な性質についてさらに詳しく解析を行う。特に、Lp空間が準距離空間となるための必要十分条件を明らかにすることが2016年度の目標である。 3.CGアニメーションの動作作成インターフェースの改良を行う。主観評価モデルに関しては数理モデルに関する2015年度の成果を取り入れ改良する。より多数の直感的な印象を反映したインターフェースを構築するため、多くの被験者に対してアンケート調査とユーザビリティテストを行う予定である。
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Causes of Carryover |
データ整理のための謝金を計上していたが、当該年度は代表者と分担者で大部分のデータ整理を行ったため、謝金の使用額が予定を下回った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度のデータ整理の謝金に組み入れる予定である。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] Inclusion-exclusion integral2015
Author(s)
Aoi Honda, Yoshiaki Okazaki
Organizer
12th International Conference on Modeling Decisions for Articial Intelligence
Place of Presentation
Skovde, Sweden
Year and Date
2015-09-21 – 2015-09-23
Int'l Joint Research
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