2017 Fiscal Year Annual Research Report
Efficient methods for Groebner basis computation, verification and thier applications
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15K05008
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
野呂 正行 立教大学, 理学部, 教授 (50332755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 和弘 立教大学, 理学部, 教授 (30333454)
篠原 直行 国立研究開発法人情報通信研究機構, サイバーセキュリティ研究所セキュリティ基盤研究室, 主任研究員 (70565986)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | グレブナー基底 / モジュラー計算 / F5アルゴリズム / 楕円曲線 / ホロノミック勾配法 / 行列変数1F1 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、モジュラー技法によるグレブナー基底計算の高速化に関する研究成果をまとめた論文が論文誌 MCS に受理された。有理関数体上でのイデアルの根基の素イデアル分解において、パラメタ変数に値を代入して得られるイデアルの分解結果を中国剰余定理で結合し、多項式-有理式変換で分解の候補を得る算法の論文が、国際会議ISSAC2018に受理された。一般のイデアルに対する停止性、正当性を保証するF5算法(signature based algorithm; SBA)の論文が、ISSAC2018に受理された。グレブナー基底を用いた楕円曲線の同種写像の公式作成に関する論文を完成させ、投稿した。大規模量子コンピュータが実現しても安全性が保たれる耐量子計算機暗号(PQC)の最新動向とその安全性評価について発表した。 期間全体の研究成果としては、本研究の主要な目的であるグレブナー基底関連計算の高速化法であるモジュラー計算に関する長年の研究成果を論文としてまとめて発表できたことが重要である。本年度の素イデアル分解論文はその応用の1つである。また、算法の正当性、停止性などに疑問点が多かったSBAについて、ある程度満足の行く算法を開発でき、2論文として発表できたことも同様に重要な成果である。F4算法, SBAは楕円曲線暗号やPQCへの攻撃方法として主要な方法であるが、本研究ではそれらで解読を試みた場合の計算量の解析について研究し、発表した。さらに、現在盛んに研究されているグレブナー基底の統計学への応用(ホロノミック勾配法)の1つとして、Wishart行列の累積分布関数が満たす方程式系を対角領域に制限した方程式系の計算方法を考案し、高精度数値計算を行った。制限した方程式系の計算法はロピタル則を用いるシンプルなものであり、既存の方法では計算できなかった変数が多い場合にも適用できる強力な方法である。
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Research Products
(7 results)