2017 Fiscal Year Annual Research Report
Observation of proton and helium cosmic-ray primaries and the ratio of boron relative to carbon by CALET experiment
Project/Area Number |
15K05095
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
市村 雅一 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (20232415)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高エネルギー宇宙線 / 原子核 / CALET |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年に国際宇宙ステーションで開始されたCALET実験は、さまざまな高エネルギー宇宙線を観測対象としているが、本研究は、CALET実験で得られた原子核成分観測データの初期解析を目的としている。具体的には陽子・ヘリウム核の絶対強度スペクトルおよびホウ素核と炭素核の存在比のエネルギー依存性を求めるため、解析方法の開発や観測データの解析を行った。 まず、検出器に入射した原子核の飛跡再構成アルゴリズムの開発・改良を行った。飛跡の再構成は検出器中に多層的に挿入されたシンチレーティングファイバーのシグナルを用いて行うが、特にエネルギーの高い陽子の場合には、核反応の結果生成されるたくさんの二次粒子が飛跡再構成を妨げることがわかっていた。そこで二次粒子の影響が最小限となるようなアルゴリズムを開発し、シミュレーションデータを用いてその性能評価を行った。 次に、開発した飛跡再構成アルゴリズムを実際の観測データへ適用し、各入射粒子の入射軸を推定した。この情報をもとに、検出器上部に設置されたCHD(CHarge Detector)中のシグナルを用いて電荷の推定を行い、入射核種を選別した。各粒子のエネルギーは、検出器下部に設置された全吸収カロリメータでのエネルギー損失の総和から求めた。 また、これらと並行してモンテカルロシミュレーションを行い、その結果を用いてトリガー効率、飛跡再構成効率、電荷選別効率、検出器の幾何学的な検出効率を算出した。これらの結果を観測データに適用して陽子・ヘリウム核の絶対強度やホウ素核/炭素核比の算出を行っている。最終的に絶対強度スペクトルを得るためにはエネルギー決定精度を考慮に入れたエネルギースペクトルの再構成(unfolding)を行う必要がある。現在複数の核反応モデルを用いたシミュレーションを用いてスペクトル再構成を行っており、その結果を検討中である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] On-orbit operations and offline data processing of CALET onboard the ISS2018
Author(s)
Asaoka,Y., Ozawa,S., Torii,S., Adriani,O., Akaike,Y., Binns,W.R., Cherry,M.L., Guzik,T.G., Ichimura,M., Krizmanic,J.F., Mitchell,J.W., Mori,M., Nishimura,J., Ormes,J.F., Sakamoto,T., Shimizu,Y., Tamura,T., Wefel,J.P., Yoshida,A., Yoshida,K. 他71名
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Journal Title
Astroparticle Physics
Volume: 100
Pages: 29-37
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Energy Spectrum of Cosmic-Ray Electron and Positron from 10 GeV to 3 TeV Observed with the Calorimetric Electron Telescope on the International Space Station2017
Author(s)
Adriani,O., Akaike,Y., Asaoka,Y., Binns,W.R., Cherry,M.L., Guzik,T.G., Ichimura,M., Krizmanic,J.F., Mitchell,J.W., Mori,M., Nishimura,J., Ormes,J.F., Ozawa,S., Sakamoto,T., Shimizu,Y., Tamura,T., Torii,S., Wefel,J.P., Yoshida,A., Yoshida,K. 他71名
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Journal Title
Physical Review Letters
Volume: 119
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Presentation] CALETによる2年間の定常運用成果報告2018
Author(s)
鳥居祥二, 浅岡陽一, 小澤俊介, 笠原克昌, Motz Holger, 田村忠久, 清水雄輝, 日比野欣也, 奥野祥二, 吉田篤正, 坂本貴紀, 中平聡志, 寺澤敏夫, 山岡和貴, 浅野勝晃, 吉田健二, 片寄祐作, 森正樹, 市村雅一, 宗像一起, 加藤千尋, 塩見晶司, 柳田昭平, 三宅晶子, 片岡龍峰, 晴山慎, 赤池陽水, 他CALETチーム
Organizer
日本物理学会