2016 Fiscal Year Research-status Report
干渉計を用いたエキゾチック素粒子の探索のための基礎研究
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15K05099
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| Research Institution | University of Toyama |
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Principal Investigator |
山元 一広 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 准教授 (00401290)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 未知素粒子探索 / 干渉計 / 低温 / 精密測定 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究概要：本研究は低温モノリシック振り子（サファイアの鏡とサファイアファイバからなる）の動きをマイケルソン干渉計で観測し、未知のエキゾチック素粒子によって励起される振り子振動を検出する装置の開発を行うのが目的である。
平成27年度にはモノリシック振り子の組み上げ手順を確立し、冷却および熱負荷試験を行った。振り子の支持機構と振り子の根元の間に大きな熱抵抗があることがわかり（これは低温に維持するうえで問題となる）、平成28年度の課題となっていた。平成28年度に行ったことは以下のようになる。
(1)熱抵抗の低減：平成27年度に発見した熱抵抗の低減を試みた。振り子の根元のクランプの改良により熱抵抗は十分に小さくなった。
(2)サファイアファイバの強度試験：平成27年度はモノリシック振り子を組み立てて自重を支えることができることを確認した。しかし今年度サファイアファイバを交換したところ組立の最中にサファイアファイバが破損した。調べたところファイバ自体の強度に問題があることが判明した。干渉計を組み立てる（複数本のファイバが必要）ことを鑑み、手持ちのファイバ全ての強度試験を行った。幸い強度が足りないのは一部のものだけあった。強度が足りない理由も突き止めた。これを元に改良を行うので今後製作されるファイバにはこのような問題は起きないと考えている。
(3)熱雑音の見積もり：モノリシック振り子の機械的散逸（Q値の逆数）を測定して熱雑音を見積もった。残念ながら散逸（熱雑音）は目標より大きかった。他の接合の仕方も検討しているが、来年度はとりあえず熱雑音のことは無視して干渉計の組立に入る。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度に発見した振り子の支持機構と振り子の根元の間の熱抵抗の低減に時間がかかった。これは冷却のうえで無視できない問題なのでさらに進める前に解決する必要があった。幸い十分低減することができた。
ファイバの強度の問題が判明し、強度試験を行ったがこれも遅延の原因となっている。幸いこれも解決することができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
概略：平成29年度は本研究の最終年度である。申請時の予定では未知素粒子検出器としての干渉計の試験的長期運転とデータ解析まで行うことになっている。遅延があるが、試験的長期運転の実現を最優先とする。つまりいくつかのステップ（熱雑音の低減など）を省略することで、申請時の目標まで行う。具体的には以下のようになる。
(1)干渉計の組み上げと調整：低温モノリシック振り子を用いてマイケルソン干渉計を組む。その上で調整を行う。まず少なくとも短期的（１日程度）に安定に運転ができるように調整し、運転する。
(2)試験的長期運転とデータ解析：まず一週間ほどの運転から始まり（可能なら）2,3ヶ月の長さの運転を行う。これによって長期運転のノウハウを得る。さらに得られたデータを解析する。
積み残しとなっている課題はあるが、上記を遂行することに置いて深刻なものはない。
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| Causes of Carryover |
干渉計の組立のために（予備も含めて）サファイアの部品を購入する予定であった。しかしサファイアファイバの強度の問題なのが判明したため、それが解決するため、新規の購入を控えていた。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
理由で述べたように強度の問題が解決したため、購入を控えていた新規のサファイアファイバに充てる。
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