2017 Fiscal Year Annual Research Report
Long term measurement of neutron flux at deep underground and evaluation of neutron contribution to rare event searches
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15K05100
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹田 敦 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (40401286)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 中性子束 / 中性子バックグラウンド / 暗黒物質探索 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、液体シンチレータ検出器を神岡地下実験室に設置し、中性子束の長期測定を行った。検出器の設置場所は、当該研究代表者も共同研究者になっている中性子測定コンソーシアムが測定を行っている液体シンチレータ検出器群のすぐ横とし、互いに測定結果を比較できるようにした。 測定に先立ち、検出器のエネルギースケールをCs-137線源のバックスキャッターピークを用いて電子反跳エネルギー(keVee)に規格化をすることにより求めた。また、Cf-252線源を用いて、波形弁別による中性子/ガンマ事象の分離能を求めた。 神岡地下実験室の測定で、700 keVee以上のエネルギー領域において環境中性子によると思われる事象をとらえることに成功し、地上で測定した中性子束の約1/1000という結果を得た。ただし、700 keVeeより下のエネルギー領域では、検出器を構成する部材に含まれるウランやトリウム系列の放射性不純物からのα線が背景事象になることが明らかになった。 また、本測定で得られた高速中性子束が、同じ神岡地下で暗黒物質探索実験中のXMASS検出器のバックグラウンドに与える影響をモンテカルロ・シミュレーションで詳細に評価し、その影響は事象率にして 1e-5 /day/keVee/kg 以下 (2-5keVee領域での平均) だとする結論を得た。この結果を取り入れた原子核反跳事象を引き起こす検出器有効体積内での暗黒物質探索の結果が、当該研究代表者によって日本物理学会2017年秋季大会(15aT11-3)及び、カナダのサドバリーで開かれた国際会議 Topics in Astroparticle and Underground Physics (TAUP2017) にて発表された。
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