2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study of new super conductivity and anomalous electronic state mediated by valence fluctuation on Rare earth compoouds
Project/Area Number |
15K05162
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中野 智仁 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (60507953)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 価数揺らぎ / 希土類 / 超伝導 / 新規物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
非BCS超伝導においてクーパー対の引力の起源として『スピン揺らぎ』が知られている。一方,Ce, SmやYbなどの希土類を含む化合物や遷移金属化合物において『価数揺らぎ』を媒介とした新しい型の超伝導や非フェルミ液体状態の実現が提唱されており,CeCu2Si2における高圧力側の超伝導や申請者らが発見したCePtSi2における圧力誘起超伝導もその候補である。しかしがながら,これらの実例は少なく普遍的な考察が不足している。本研究では価数揺らぎによる新奇超伝導や状態,現象の探索を目的として,圧力や元素置換によってこれらが実現する可能性がある化合物を探索し,その物性を測定することにより,価数揺らぎに関する諸物性の普遍性を明らかにすることを目的としている。 今年度の主な成果を以下に要約する。 (1)2つのCeの結晶学的サイトを持つCePtGe2は低温でフェリ磁性を示すという報告と,強磁性を示すという報告があったが,純良単結晶試料を作成し,基礎物性測定を行い,反強磁性体であることを明らかにした。また,ゼーベック効果等の実験結果から通常の反強磁性状態はは異なっており,2サイトCeの存在が影響していることを明らかにした。 (2)SmPtSi2は昨年度までの研究によって低温で二段階の相転移を示すことがわかっていたが,その詳細は明らかになっていなかった。多結晶試料に対するゼーベック係数および,単結晶試料に対する磁化,比熱,電気抵抗測定から,密度波および反強磁性に近い状態であることを明らかにした。
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Research Products
(19 results)