2016 Fiscal Year Research-status Report
メゾスコピック系における非平衡輸送現象の熱力学の構築と熱機関の設計
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15K05200
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
羽田野 直道 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (70251402)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 智香子 山梨大学, 総合研究部, 教授 (30221807)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 量子熱機関 / 定常熱機関 / 熱電効果 / カルノー効率 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
微視的量子系が巨視的熱浴に挟まれている熱機関を解析しています。平成２８年度は定常熱機関と非定常熱機関の両方で成果を挙げました。特に非定常熱機関の研究においては、熱浴と量子系の相互作用の時間発展を非マルコフ的に扱った結果、有限パワーでカルノー効率を超える可能性を示唆しました。なお、どの瞬間も強い非平衡状態にあるため、熱力学の諸法則とは矛盾しません。カルノー効率を超える部分の仕事は、量子系と熱浴の相互作用エネルギーに由来することも明らかにしました。
定常熱機関の研究においては、逆に有限パワーではカルノー効率を超えられないという結果を得ました。これは、Bennentiらが、そのような可能性を示したのに対して、具体的な模型で反証を示したものです。ただし上述の研究とは異なり、相互作用エネルギーを顕わに考慮していないので、矛盾しません。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
特に、非定常熱機関においてカルノー効率を超える可能性を示したことは非常にインパクトのある研究成果と考えます。
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| Strategy for Future Research Activity |
定常熱機関の研究においても、非定常熱機関の研究においても、現在は具体的な模型において計算をしていますが、より一般的な理論を帰納する方向に進めたいと考えています。
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| Causes of Carryover |
成果公表のための出張を、次年度に行われる会議にした方がよいと判断したため。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度の会議への出張で用いる。
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