2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on quantum entanglement and emergent degrees of freedom in strongly-correlated topological phases
Project/Area Number |
15K05211
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
戸塚 圭介 京都大学, 基礎物理学研究所, 准教授 (80291079)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | トポロジカル相 / SU(N)対称性 / 分数量子ホール効果 / 冷却原子気体 |
Outline of Annual Research Achievements |
一次元の対称性に護られた(Symmetry-Protected Topological phases--SPT phases)における相互作用スイープの下でのダイナミクス、SPT相と乱れとの競合についても調べた(Ohta-Totsuka, 未出版)。 引き続き、光格子中のSU(N)対称性を持つアルカリ土類フェルミ原子気体を用いたSPT相の実現について、フランスの研究者と共同で研究を進めた。昨年、一次元の二連井戸型の光格子を用いた新たなSPT相の実現方法を提案したが、この方法で、いままで現実的な実現方法が知られていなかった空間反転対称性の破れを伴うカイラルなSPT相も実現できることを明らかにし、これらの成果について論文にまとめた (Fromholtz et al. arXiv:1709.10409、査読中)。また、この問題に密接に関連したSU(N)対称性のあるスピン模型についてその相図を詳細に検討した(Fromholz et al. 投稿準備中)。 2次元、3次元のトポロジカル相を一次元系を結合させることで実現する「結合ワイヤ構成法」がKane等により提案されているが、この構成法において、いかにしてChern-Simonsゲージ理論などのバルクの非自明な有効作用が形成されるかを初めて明らかにし、その考察を分数量子ホール状態の階層構造を含む一般の可換なトポロジカル相についても拡張した(Imamura-Totsuka, 投稿準備中)。これにより、2次元トポロジカル相の非自明なエンタングルメントがいかにして一次元から創発されるか、高次元トポロジカル相の実現方法など、未解決の問題の理解が進むことが期待される。
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