2017 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental research on higher-order interaction between cold atoms and localized light by optical near-field
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15K05234
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
東條 賢 中央大学, 理工学部, 准教授 (30433709)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 冷却原子輸送 / 光近接場 / 光学禁制遷移 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に確立したレーザー冷却原子の高精度操作手法の開発を用い,ガラス表面への冷却原子導入と原子からの発光観測を行った。2017年度では安定的に光トラップによる2×10^6個の5μKの超低温ルビジウム冷却原子集団を用意している。磁気トラップから光トラップへの新しい高効率移行方法および物理現象については査読付き投稿論文により発表した。ガラス表面への移行については,2×10^5個の2μK程度の集団を表面近傍に生成する光定在波領域の保持に成功した。従来行ってきた横方向からの吸収撮像の他に、横方向および上方からの発光観測を実現した。さらに通常の5S-5P遷移である780nm光の他に5P-5D遷移の776nm光を整備し,5D-6P遷移を経て6P-5S遷移に対応する420nm光を観測し,従来観測されているスペクトル領域外に光-原子間の非線形相互作用を示唆するスペクトルを確認した。次に光近接場領域に導入した冷却原子にに対する局在光との相互作用について780nmおよび420nmの光を観測した。780nmにおいての観測では原子‐固体表面の相互作用を示唆するスペクトルのエネルギーシフトが見られ,これの結果について国際会議で発表した。また基底状態からの直接D状態へ励起するための778 nmの2光子光源を整備し,磁場依存の2光子遷移スペクトル観測を行った。異常ゼーマン効果であるパッシェンバック効果測定をまとめ,論文投稿準備中である。また2光子スペクトルを用いたレーザー光の波長安定化に成功しており,今後の光近接場および冷却原子間の高度相互作用についての研究への発展が見込まれる。 また、特殊なナノ構造を有する表面近傍の光近接場について,酸素分子の磁気双極子遷移吸収分光に成功し,数種類の振動回転状態を確認し,励起効率の変化について,実験と計算の両面から評価中である。実験結果については国際会議にて発表した。
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Research Products
(9 results)