2017 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification of toughness mechanism for polymer-clay composite gels and the actuation behavior
Project/Area Number |
15K05242
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
武野 宏之 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (70302453)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | クレイ / ハイドロゲル / 水晶子マイクロバランス / アドミッタンス測定 / コントラスト変調中性子散乱 / タフネス機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度に実施した研究において、高分子として超高分子量ポリエチレンオキサイド(PEO)を用いたPEO-クレイコンポジットハイドロゲルが、非常に大きな伸長度(1000~2000%)を示すことが明らかとなった。このPEO-クレイハイドロゲルの力学物性におけるPEOの分子量効果を調べた(28万~770万の粘度分子量の範囲で8つの異なる分子量のPEOを使用)結果、28万のPEOを用いた場合、クレイを混合してもゲル化せず、それ以上の分子量のPEOを用いた場合、分子量の増加とともにゲルの弾性率や伸長応力は増加し、350万以上の分子量でほとんど一定となった。この結果は、これまでに調査してきたポリアクリル酸ナトリウム(PAAS)-クレイコンポジットハイドロゲルの力学物性の分子量依存性と一致する。このことから、力学特性の優れた高分子-クレイコンポジットハイドロゲルを作製するには約350万以上の分子量をもつ高分子を用いることが必要不可欠であり、その条件は、高分子種によらない普遍的な因子である可能性が高いことが明らかとなった。 PEO-クレイハイドロゲルとPAAS-クレイハイドロゲルの力学物性を比較した結果、両者の弾性率(歪みが小さいときの伸長応力)はほぼ同程度であるが、歪みが大きくなると前者の伸長応力は後者に比べてかなり小さくなった。両ゲルの水晶振動子マイクロバランス(QCM)測定を比較した結果、PEOとクレイの相互作用は後者のそれに比べて弱いことが示唆された。これまでの力学測定とQCMの測定結果から、PEO-クレイハイドロゲルでは伸長とともにPEO-クレイ間の相互作用(結合)が徐々に切断と結合の再生が繰り返されるのに対し、PAAS-クレイハイドロゲルでは破断付近でほとんどの結合(静電相互作用)が切断され、結合の再生は生じないというモデルが提案された。
|
Research Products
(5 results)