2017 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical study on the universal behaviors in cell rheology
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15K05250
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
好村 滋行 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (90234715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 隆一 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 特任講師 (10636385)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マイクロレオロジー / ソフトマター / 細胞 / 異常拡散 / 揺動散逸定理 / マイクロマシン / マイクロスイマー / ブラウン・ラチェット |
Outline of Annual Research Achievements |
ソフトマターのような粘弾性体中を遊泳するマイクロマシンの動作機構について理論的に考察した。具体的には、アクティブ・マイクロレオロジーで使われている基本式を三つ玉スイマーに適用することで、スイマーの遊泳速度とソフトマターの複素粘性率を結びつける関係式を導出した。この関係式によると、三つ玉スイマーがソフトマター中を遊泳するには二通りの可能性があり、一方は形状変形の時間反転対称性を破ることであり、他方はスイマーの構造対称性を破ることである。この原理を「スイマー・マイクロレオロジー」と命名した。 NajafiとGolestanianの三つ玉スイマーはマイクロマシンの遊泳原理を簡潔に表現しており、これまでに様々な拡張が考案されてきた。一方、従来の三つ玉スイマーの限界は、アームの周期運動が予め決められており、分子内部自由度の緩和ダイナミクスが含まれていないことである。そこで我々は、酵素やモータータンパク質との関連性を重視して、三つの球が調和的なバネで連結された弾性的なマイクロマシンを提案した。球間のバネの導入により、分子内部の緩和ダイナミクスや、内部自由度の非平衡性を自然な形で考慮できるようになった。我々は弾性スイマーの平均遊泳速度を解析的に導出した。 さらに平成29年度には、熱的に駆動されるマイクロマシンに関する研究を行った。熱的に駆動される三つ玉マイクロマシンの運動は、各球に対するランジュバン方程式で記述し、各球に働くノイズの強さは、各球の温度に応じた揺動散逸定理で与えた。バネの自然長が球のサイズに対して十分に大きい場合には、実効的温度の問題を回避することが可能であり、我々はマイクロマシンの遊泳速度を解析的に導出することに成功した。この研究成果は温度勾配中の熱拡散と関係する一方、熱ゆらぎから運動を獲得するという意味において、ブラウン・ラチェットのアイディアとも密接に関連している。
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[Presentation] Swimmer-microrheology2017
Author(s)
Kento Yasuda, Ryuichi Okamoto, and Shigeyuki Komura
Organizer
Symposium on Fluctuation and Structure out of Equilibrium 2017, Sendai, Japan
Int'l Joint Research
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