2015 Fiscal Year Research-status Report
白亜紀中期太平洋におけるプレート境界再配列と拡大速度から見たプレート運動の駆動力
Project/Area Number |
15K05261
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中西 正男 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80222165)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 海底地形 / 太平洋プレート / 白亜紀中期 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.Nova-Cantonトラフ西端に関する研究 2014年11月から12にかけて本研究課題の研究対象海域の一つである西太平洋赤道周辺のNova- Cantonトラフ西端に位置するEllice海盆とStewart海盆において、海洋研究開発機構研究船「みらい」を使って反射法地震探査を実施した。両海盆はオントンジャワ海台の南東端に位置する。調査海域のすぐ南のでは、太平洋プレートが現在ソロモン諸島の下に沈み込みつつある。今年度は、得られた反射法地震探査記録の基礎的な解析を行った。データ解析の一部は、海洋研究開発機構横浜研究所において行った。断層地形の傾斜をできるだけ正確に決定するため、速度解析を通常より細かい間隔でおこなった。解析結果からは両海盆には海盆形成時にできた正断層がいくつも発見された。また、海底面付近まで達している正断層も発見された。この正断層は、太平洋プレートに沈み込みに伴う屈曲のためにできた正断層と考えられる。 2016年3月には、Nova-Cantonトラフ西端付近において、研究船「かいれい」を使って地球物理学探査を実施した。この航海には指導学生を参加させた。 2.北海道トラフ周辺海域での地球物理学探査 2015年10月に本研究課題の研究対象海域の一つである北海道トラフにおいて、研究船「みらい」を使って地球物理学探査を実施した。海底地形の初歩的な解析から、北海道トラフの形成過程に関して、新たな知見を得た。地形的特徴からは、北海道トラフは太平洋プレートが分裂した時の痕跡であることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.得られた結果を検証するために、再解析を行っている。その時間がかかっている。
2.「みらい」の航海では、天候不順のため予定測線の全てについて観測を実施することができなかった。
3.2016年度の研究船公募の公募日数が少なく制限されたため、研究航海を提案することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.データ解析精度の向上を目指して、データ解析の手法を検討してる。 2.国際公募を行っている海外の研究船「Falkor」を使った航海の提案を計画している。Nova-Cantonトラフについて、ハワイ大の研究者と共同研究の可能性を検討している。2017年以降に計画されているドイツの「Sonne」号による航海における共同研究についても相談している。
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