2016 Fiscal Year Research-status Report
白亜紀中期太平洋におけるプレート境界再配列と拡大速度から見たプレート運動の駆動力
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15K05261
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中西 正男 千葉大学, 大学院理学研究科, 教授 (80222165)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 海底地形 / 太平洋プレート / 白亜紀中期 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. Nova-Cantonトラフ西端に関する研究 Nova-Cantonトラフ西端に位置するStewart海盆とEllice海盆における反射法地震探査記録の解析を進め、海盆の形成時期とそのメカニズムに関する研究を進めた。その結果、これらの海盆は北東-南西方向の伸張により形成されたことが明らかになった。この結果は、これらの海盆が北西―南東方向の伸張により形成されたとしたTaylor (2006) の考えとは異なるものである。そのため、Taylor (2006) で提案されているオントンジャワ海台とマニヒキ海台の分裂に関するもモデルを再考する必要性があることが判明した。また、磁気異常の解析から、両海盆に北西―南東方向の磁気異常縞模様が存在することが示唆された。この結果は上記の反射法地震探査記録の解析結果を支持するものである。 2017年1月に実施された研究航海(白鳳丸、KH-17-J01)航海において、地球物理学(海底地形、地磁気、重力)観測を実施した。研究航海には、指導している学生を派遣した。 2.北海道トラフ周辺の海底地形に関する研究 北海道トラフ周辺の海底地形データを海洋研究開発機構から新たに入手して解析を進めた。その結果、アビサルヒルの特徴が、北海道トラフの南北で異なることが判明した。また、北海道トラフ形成過程において、中央海嶺の伝播が大規模に起こっていたことが判明した。これらの結果は、北海道トラフは87 Ma頃に、一時的に活動したものであるとしたMammerick and Sharman (1988)の結果とは、矛盾するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.海底地形データの品質チェックに時間がかかり、データ解析の予定がすこし遅れている。 2.実質公募日数の減少により、2017年度の研究航海公募に研究航海を提案することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.データ解析効率を向上させるために、コンピュータ環境の改善を行う。 2.効率的なデータ解析を行うために、使用するソフトウェアを変更する。 3.新たにデータを取得するために、海外の研究者と共同研究の可能性を相談する。
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Causes of Carryover |
コンピュータ環境整備の一部を次年度にしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
コンピュータ周辺機器(ハードディスク装置などの記憶装置など)を購入する。
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[Journal Article] 古い海洋プレートの沈み込み直前での屈曲断層形成に伴う加水作用解明に向けた海洋掘削計画概要2017
Author(s)
森下知晃, 藤江 剛, 山野 誠, 中西正男, 尾鼻浩一郎, 中村恭之, 斎藤実篤, 小平秀一, 木村純一, 黒田潤一郎, 小野重明
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Journal Title
地学雑誌
Volume: 126
Pages: 247-262
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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