2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study of deep mantle convection by investigating seismic scattering
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15K05269
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金嶋 聰 九州大学, 理学研究院, 教授 (80202018)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 下部マントル / 地震波散乱 / 地震計アレイ解析 / 科学組成 / 小規模不均質 / マントル対流 / 撹拌 / 玄武岩 |
Outline of Annual Research Achievements |
地震波トモグラフィーを補完する観測事実として、マントル深部の散乱現象が地球内部構造の研究者の間で注目され、PP先駆波やPKP先駆波など、主としてPP後方散乱の統計的分布を明らかにしようとする研究が行われるようになった。代表者によるPhysics of Earth and Planetary Interior 誌の招待レビュー論文(Kaneshima, 2016)はこの様な潮流を反映するものである。研究代表者はマントル中央部にkmスケールの化学的不均質構造が存在することを立証し、さらに進んでこの様な不均質がグローバルに分布していることを明らかにしてきた。本課題の研究が実を結んでマントル対流に新たな制約を加える事が可能となりつつある段階になった。当該年度において、代表者はトンガ・フィジー沈み込み帯の下の下部マントル散乱体の分布と形状の解析に関する論文1編をPhysics of Earth and Planetary 詩に発表した(Kaneshima, 2018a)。また米国ミシガン大学のJeroen Ritsema教授、および米国カーネギー研究所Peter van Keken博士との共同研究を進め、Ritsema教授らと共同でまとめた南米ペルー下の散乱体の形状と地震波速度異常に関する論文がGeophysical Research Letters 誌に記載された(Haugland, et al., 2017)。この研究でマントル深部の散乱体が厚さ10km程度の低速度物質からなることを明らかにした。最後に熱組成両者を考慮したマントル対流のシミュレーションの世界的研究者である Peter van Keken博士と共に同博士らが行ったトレーサーによる熱化学組成対流シミュレーション結果の分析による、海洋地殻物質の褶曲・引き伸ばしの数値化を行った。
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Research Products
(5 results)