2015 Fiscal Year Research-status Report
ダイナモ理論で明らかにする古地磁気永年変化と地球深部ダイナミクスの関係性
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15K05270
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高橋 太 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20467012)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地磁気 / 永年変化 / ダイナモ / コア / 安定成層 / 逆転 |
Outline of Annual Research Achievements |
地球磁場の時間的な変動(地磁気永年変化)のメカニズムを理解するために、地球ダイナモの数値シミュレーションに基づいて研究を行った。今年度は比較的短周期的な変動と長周期的な変動の二種類に焦点をあてたシミュレーションとそれらの結果の解析を行った。短周期的な変動は古地磁気学的に見て短期的という意味であり、概ね数十万年程度である。一方、長周期的変動はスーパークロンのような数千万年程度の変動を念頭においた。短周期変動に関しては、コア-マントル境界下に存在が示唆されている安定成層の影響を調査した。地震学的な観測から示唆されている厚さ100kmオーダーの安定成層をモデルに組み込み、成層の強さなどをパラメータとして浮力振動数に対する自転角速度の比が1を下回るような条件でシミュレーションを行った。その結果、安定成層を突き通るような流れは殆ど生じなかった。その結果、安定成層内でのポロイダル磁場の生成は為されず、表皮効果によって、より短期的な変動はコアの外では減衰してしまうことが分かった。 長周期変動に関しては、双極子の逆転を統計的に取り扱うことができるような長時間のシミュレーションを実施して、データを順調に蓄積している状況である。予察的な解析では、逆転頻度の変動はレイリー数の変化に対して比較的急峻に生じていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調にシミュレーション結果を得ることが出来ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度得られた知見に基づき、条件を変えたシミュレーションを実施し、地磁気永年変化を制御するメカニズムの調査を行う。データの詳細な解析を行うにはデータ量が膨大になることが予想されるので、効率の良いデータ解析の方法を考える等の工夫が必要になってくると思われる。
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Causes of Carryover |
計画当初と比べて比較的安価な物品(無停電電源装置、RAID HDD等)を購入することが出来たため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後増強の必要性が認められる物品(データ保存用RAID HDD)の購入費用として充当する。
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Research Products
(6 results)