2017 Fiscal Year Annual Research Report
Surface wind adjustment and its feedback to the ocean surface layers over the gyre boundary regions
Project/Area Number |
15K05279
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
谷本 陽一 北海道大学, 地球環境科学研究院, 教授 (00291568)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 循環境界 / 海上風 / ロスビーは / インドネシア通過流量 |
Outline of Annual Research Achievements |
西太平洋における亜熱帯循環系と赤道循環系の循環境界近傍の海面水位は、インドネシア通過流の体積輸送量の決定に大きく関与するため、太平洋・インド洋間の熱輸送やそれらが熱帯海洋域の水温変動に及ぼす影響を知る上で重要である。しかしながら、インドネシア多島海は極めて複雑な海岸線と海底地形で構成されているため、粗い空間分解能の海洋モデルを結合した気候モデルでシミュレートされる通過流量や通過流の入口近傍での水位の表現は必ずしも現実的ではない。そこで、本研究では、熱帯太平洋域全体の海面熱フラックス場と海面風応力場の大気場のみを外力として、前年度から活用しているロスビー波モデルを用いて、西太平洋海域における海面水位の再現を試みた。その結果、モデルで再現された海面水位と衛星計測に基づく海面水位に見られる10年規模変動は概ね一致していた。この取り組みによって確立された水位の再現手法を、各国に気候モデルで表現されている現在気候や将来気候の大気場に対して応用することで、インドネシア多島海を表現できない空間分解能の粗い気候シミュレーションを活用して、インドネシア通過流量の将来変化を議論できるようになった。インドネシア通過流量の10年規模変動における太平洋側とインド洋側の相対的寄与は現在気候の元では、太平洋側の寄与が圧倒的であるものの、将来気候においてはインド洋側の相対的寄与が30%程度まで増加する結果が示唆されている。
|