2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K05337
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
志村 玲子 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (90420009)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マグマ溜まり / 熱進化過程 / 貫入岩 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、マグマ溜まりの物理化学進化過程の総合的な理解を目標として進めている研究である。鉱物に記録された組成情報など、岩石試料の薄片が保持する情報に基づき、貫入岩体冷却過程における熱履歴情報を精密に抽出し、マグマ溜まり熱進化機構を明らかにすることを目的に、一回貫入閉鎖形で固化したことが明確になっている北海道根室市の納沙布岬貫入岩体を対象として、研究を推進してきている。特に、本岩体が保持している貫入前から存在していた「斑晶」の累帯構造と「斑晶」粒子の隙間で定置後に成長した微細鉱物の粒成長を対象として研究を進めている。これらの化学組成や組織構造の岩体中の系統的な変化を明瞭化・定量化することで、目的を達成することを目指している。 本年度は、岩石試料と薄片の整備を行い、解析の対象として適切な典型的な試料をピックアップした。これを用いて、電子線プローブマイクロ分析 (EPMA) を用いて、斑晶の成長方向のラインプロファイル測定を開始した。得られたデータに対し、拡散方程式による解析を進行中である。また、迅速な粒成長解析を目指し、可視分光装置による顕微分光装置を用いた自動測定システムの構築を試みたが、別項で示すとおり、計画を若干修正する必要があることが判明した。そこで、別の方法の検討・試作を行った。現時点では、後述した代替手法でいけそうであると判断しており、来年度は装置を改善し、研究の前進をすすめていく計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
斑晶累帯構造データにおける元素拡散情報からの熱履歴抽出については、現在解析を進行中であり、論文としてまとめるべく作業中である。顕微鏡システムについては、次項の通りの改善を行い、初期画像データの取得をしたので、テスト解析を進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
赤外分光器を予算の関係で断念し、可視分光でのシステム構築を目指したが、鉱物の迅速な判定には問題があることが判明した。しかし、以下の解決策で研究がより前進できると考えている。まず、偏光カメラを用いた方法を検討することとした。現在テスト画像取得は終了しており、解析を進行中である。また、半導体素子受光器を用いたマイクロX線ビームによる簡易マッピングを行うことを検討し、その構築を計画している。
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Research Products
(1 results)