2015 Fiscal Year Research-status Report
ジルコン・アパタイトを用いた迅速マルチ同位体測定システムの確立・検証・応用
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15K05345
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中野 伸彦 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 講師 (20452790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 淳志 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (60379691)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Hf同位体比 / Sr同位体比 / アパタイト / ジルコン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,日高変成帯主体および九州黒瀬川帯の現地調査を行い,年代の異なる(新第三紀とオルドビス紀)花崗岩類を採取した.これらの試料に関して,岩石プレパラートを作成し,鏡下観察と希土類元素を含む全岩化学組成の測定を行った.鏡下観察や全岩化学分析などの基礎解析については,28年度に行う予定であったが,前倒しして行った. モンゴルに分布する非~弱変成花崗岩類について,約20試料のジルコン年代を測定した.また,同地域に分布する変成岩の全岩化学組成と鉱物化学組成の測定,温度・圧力モデリングから温度・圧力履歴を解析し,成果を国際誌に公表した.これらは平成29年度に行う予定であったが,前倒しして行った. アパタイトとジルコンの希土類元素およびジルコンのハフニウムの定量分析手法を確立した.これにより,同位体比測定までのジルコンおよびアパタイトの分離~マウント~定量分析~年代測定のルーチンを確立した. 同位体比測定に関しては,アパタイト・ジルコンの標準試料について,それぞれの標準試料候補の均質性をチェックし,アパタイト・ジルコンの同位体分析におけるcalibrationスタンダードとworkingスタンダードを決定した.また,MC-ICP-MSには,高感度のスキマコーンおよびサンプリングコーンを導入することで高精度化を図り,現在空間分解能の向上を目的として,分析を継続中である. その他,国内外の変成岩類・花崗岩類の解析を行い,成果を学会にて発表し,一部を国際誌に公表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,分析手法の確立が主要なテーマであったが, MC-ICP-MSにいくつかのトラブルがあり,この点に関してはやや遅れている.しかしながら,すでに不良箇所の修理は他経費にて完了し,現在順調に稼働している.従って,来年度前半には分析手法をルーチン化する予定である.一方,28年度および29年度に行う予定であった国内外の花崗岩類の基礎解析を本年度に行うことができたことから,次年度以降の基礎解析に関連する時間を予定より大きく短縮することが可能である.従って,研究期間全体を考えると,本研究課題はおおむね順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,28年度前半において,分析手法のルーチン化を行う.その後,国内外の花崗岩類について本分析手法を適用し,その有効性を検証する.まずは,年代の大きく異なる黒瀬川帯(オルドビス紀),日高変成帯主体(古第三紀),モンゴルの花崗岩類(カンブリア紀・ペルム紀)で検証予定である.必要に応じて,TIMSでの分析を行い,データをクロスチェックする.ここまで終了した時点で,成果を国際誌に公表する.なお,南部北上帯の花崗岩は,本年度調査を行った黒瀬川帯の花崗岩類と同様の年代をしめすため,申請時に予定していた同地域の調査は延期,または取りやめる予定である.
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Causes of Carryover |
数回の野外調査を他研究経費で行うことができたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度以降のICP-MSのガス代として充当する.
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Research Products
(23 results)
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[Journal Article] Multiple growth of garnet, sillimanite/kyanite and monazite during amphibolite facies metamorphism: implications for the P–T–t and tectonic evolution of the western Altai Range, Mongolia2015
Author(s)
Nobuhiko Nakano, Yasuhito Osanai, Masaaki Owada, M. Satish-Kumar, Tatsuro Adachi, Sereenen Jargalan, Aya Yoshimoto, Kundyz Syeryekhan, Ch. Boldbaatar
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Journal Title
Journal of Metamorphic Geology
Volume: 33
Pages: 937-958
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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