2016 Fiscal Year Research-status Report
マントル関連物質のグリューナイゼン定数の温度依存性に関する研究
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15K05347
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
糀谷 浩 学習院大学, 理学部, 助教 (60291522)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | グリューナイゼン定数 / 温度依存性 / ラマン分光 / 高圧 / 格子振動 / 非調和性 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダイアモンドアンビルセル高圧発生装置内の試料室において、500℃の温度を発生させるための加熱システムの構築を行った。加熱ヒーターの仕様は、さまざまなタイプのものについて試行錯誤した結果、直径φ1.0 mm, 長さ約5 mmのらせん状に巻いたニクロム線ヒーター(φ0.26 mm)をパイロフィライト製のマウントに固定し、それを3個直列につなげたものを使用することにより、ヒーター切れを起こさずに安定した加熱ができることが分かった。また、ダイアモンドアンビルセルを冷却ホルダーに直に設置すると、熱伝導による熱の逃げのために温度の発生効率が悪くなることが分かった。そこで、ダイアモンドアンビルセルをZrO2の断熱体で囲うような変更を加えた。それらの試行錯誤により当初の目標発生温度である500℃までの昇温を達成することができた。しかしながら、約300℃以上の加熱により、ステンレス製のセルと炭化タングステン製のガイドピンの表面が酸化することや、それらの材質の熱膨張率の違いにより、ガイドピンがセル本体中の穴に焼き付いてしまうことが判明した。 また、加熱系システムと同時に、冷却ホルダーによる冷却系システムの構築も行った。水冷ポンプ用のモーターは回転数を可変させることができ、冷却ホルダーを過度に冷却させないような流速に調整できるようにした。この冷却システムにより、顕微ラマン分光装置の試料ステージ上でダイアモンドアンビルセル高圧装置を昇温させることが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
まず、ダイアモンドアンビルセルという非常に限られた空間内において、実際の試料位置で目標とした500℃をニクロム線を用いたヒーターにより達成することが予想したよりもかなり困難であった。ヒーター直近では500℃は容易に発生できるが試料部はヒーターからかなり離れた場所となることや、ダイアモンドアンビルセル自体を伝って逃げていく熱を抑えないと試料部の温度を上昇させられないことなどが原因であった。 次に、当初の目標の500℃までの加熱を達成できたまでは良かったが、そのためにセル本体と2つのダイアモンドアンビルを平行に圧すためのガイドピンが焼き付けを起こし、修理のためにしばらく実験を進められない期間があった。 これらのため、実験の温度条件を発生できる段階までは進んでいるが、実際に顕微ラマン分光測定ができるところまでは進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
300℃以上の加熱によるダイアモンドアンビルセル装置のガイドピンの焼き付き現象の改善を行った後、実際に水冷システムやヒーターを組み込んだ高圧セルを顕微ラマン分光装置内に設置を行う。次に、NaClを圧力媒体として300℃までの高圧ラマン分光測定をMg2SiO4フォルステライトについて行う。高温下におけるラマン分光測定の手法を確立させた後、500℃まで測定温度領域を拡大する。さらに、Mg3Al2Si3O12パイロープについて高温高圧ラマン分光データを取得する。得られた、データの解析を行い、熱的グリューナイゼン定数の温度依存性について議論する。
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Causes of Carryover |
ダイアモンドアンビルセル内の加熱を行うためのシステム構築を行っていたため、ニクロム線などの安価な部品代の支出となっていた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
試料を加圧するための圧媒体にNaClを用いる予定である。そのNaClをあらかじめ真空下で加熱し乾燥する必要があるために、真空乾燥炉を購入する。 また、実際の高圧高温実験では、ダイアモンドアンビルの破損が予想されるため予備のアンビル購入に充てられる。
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Research Products
(3 results)