2015 Fiscal Year Research-status Report
最下部マントル条件下での放射光X線及び超音波法による弾性波速度測定技術の開発
Project/Area Number |
15K05351
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
肥後 祐司 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 研究員 (10423435)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 弾性波速度 / 超音波 / 下部マントル |
Outline of Annual Research Achievements |
下部マントル条件下での弾性波速度測定のために、高圧セル・ガスケットの最適化、高周波信号の入出力分離装置の開発を行った。 まず、圧力発生効率の確認のために高硬度のバインダレス超硬合金アンビルを使用し、圧力発生試験を行った。アンビルにはフジダイス製超硬アンビル(TJS01)を使用し、トランケーションサイズ3.0 mm、トランケーション面は鏡面研磨を施し、超音波の散乱を低減した。ガスケットは圧力発生効率を高めるため脱水処理したパイロフィライトを使用した。ガスケットは八面体の圧力媒体との間に隙間が生じないような特殊な形状に加工した。圧力媒体には(Mg,Co)O、ヒーターにはTiB2を使用した。実験は大型放射光施設SPring-8のBL04B1に設置の川井型高圧発生装置SPEED-Mk2を使用した。常温下で約38 GPaまでの圧力発生に成功したが、高温下で約10 GPaの圧力低下がみられ、今後断熱性の向上や圧力媒体内の流動低減等の対策を施す必要がある。 一方、高S/Nでの超音波エコー取得のため、高周波信号の入出力装置の開発を行った。3段の高速半導体リレーで構成され、不要なRF反射を終端抵抗で吸収する機構となっている。設計製作は(株)サムウェイで行い、現在性能評価を行っている。 今後、高圧セルの更なる改良を行い、高周波信号の入出力装置と組み合わせて、下部マントル条件下での弾性波速度測定を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度に計画していた高圧セルの最適化と高周波信号の入出力装置の開発の双方とも実施できており、おおむね良好な結果を得ている。 高圧セルに更なる改良が必要であるが、既に対応策の準備を進めており、本研究課題の遂行には問題ないと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、圧力媒体の断熱対策(LaCrO3等でヒーターの周りを覆う)や高周波システムのテストを行う。今後、下部マントル構成鉱物の焼結体作成の準備を進め、地球科学のテーマに沿った研究を進める。
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Causes of Carryover |
平成27年度のSPring-8での実験数が予定より少なくなったため。SPring-8は共同利用施設であるため、当初見込みの実験日数が割り当てられないことがある。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は高圧実験に使用する部材の購入に使用する。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Compressional and shear wave velocities for polycrystalline bcc-Fe up to 6.3 GPa and 800 K2016
Author(s)
Y. Shibazaki, K. Nishida, Y. Higo, M Igarashi, M. Tahara, T. Sakamaki, H. Terasaki, Y. Shimoyama, S. Kuwabara, Y. Takubo, E. Ohtani
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Journal Title
American mineralogist
Volume: 101
Pages: 1150-1160
DOI
Peer Reviewed
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