2017 Fiscal Year Annual Research Report
Optimizing molecular dynamics and simulating X-ray diffraction patterns under strong-laser-induced polarizability interactions
Project/Area Number |
15K05373
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大槻 幸義 東北大学, 理学研究科, 准教授 (40203848)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 最適制御 / レーザーパルス / 分極相互作用 / 分子整列 / 非断熱遷移 / シュタルク効果 / X線回折 / 同位体分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
非共鳴のレーザーパルス誘起の分極相互作用を最適に利用し,分子整列,量子演算および非断熱遷移の制御に関して,典型例を通して明らかにした。最適パルスから導かれた近似パルスを用いれば,整列度合いを80%以上保てることを明らかにした。中程度サイズの分子に対してこの整列度合いが実現できれば, X線パルスによりダイナミクスを実時間追跡できることを回折像のシミュレーションから明らかにした。以上から目的は達成できた。 最終年度の具体的な成果は以下の通りである。 ①直観的には,偏長・偏平対称コマ分子の整列制御に対して,それぞれ直線・円偏光が有利と考えられてきた。偏光条件を入れ替えた最適制御シミュレーションにより,非直観的な方法でもほぼ同様の整列度合いが達成できることを明らかにした。更に,整列度合いの向上と回転エネルギーの増加のタイミングとが正確に一致すること証明した。これに基づき,最適パルスの達成度をほぼ100%再現できる近似パルス列の導出法を示した。 ②非対称コマ分子の3次元整列制御の最適化コードを開発し,手法をレヴューに報告した(投稿中)。互いに直交する2つの直線偏光パルス列が最適解であり,2番目のパルスは最初のパルスの約3倍のエネルギーを有していた。これは,既報告とは全く逆の結果であり,解析が終わり次第,学術誌に報告する。 ③IBrの選択的な光解離を目的に,非断熱遷移を直接制御する非共鳴パルスを最適化した。電子励起には種々の中心周波数を仮定したガウス型のポンプパルスを用いた。ポンプパルスの中心周波数が吸収ピークよりも低波数側において制御の効果は顕著になり,目的に応じて最適パルスは2または3パルスから成る。量子干渉効果をパルス分割アルゴリズム(H29年度の論文成果)により定量評価しところ,各非共鳴パルスは主にポンプパルスとの量子干渉を促進・利用していることが明らかになった(投稿中)。
|
Research Products
(14 results)