2017 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical study on radiative and non-radiative decay passways in solution
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15K05385
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| Research Institution | Nagoya University |
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Principal Investigator |
横川 大輔 名古屋大学, 理学研究科(WPI), 特任准教授 (90624239)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 無放射遷移 / スピンー軌道カップリング / 溶媒和理論 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、溶液内での放射・無放射遷移を原子・分子レベルで理論的に明らかにするために、申請者が開発してきた溶媒和理論に励起状態における溶質と溶媒の揺らぎを加えた新たな溶媒和理論の構築を目指す。
前年度までに、研究計画に挙げていた4-(N,N-ジメチルアミノ)-ベンゾニトリル(DMABN)の無放射遷移を明らかにしたので、今年度はより複雑な分子である4'-N,N-ジエチルアミノ-3-ヒドロキシフラボン(DEAHF)の無放射遷移の理論的解明を目指した。DEAHFは励起状態においてプロトン移動を起こす系として知られ、様々な溶媒中において量子収率が実験的に測定されている。極性溶媒中での量子収率は非極性溶媒の量子収率の約半分になることが知られているが、その理由は明らかにされてこなかった。そこで、前年度までのDMABNに関する研究で得られた知見を元に、励起状態における１重項、３重項状態の自由エネルギー曲面を算出した。その結果、分子が大きく屈曲することで円錐交差を経た内部転換が起きることを明らかにした。さらに、この交差点での構造は大きな双極子モーメントを有しているため、溶媒効果による安定化を大きく受けることがわかった。さらにエネルギーのみの議論だけではなくスピンー軌道カップリングを計算することで、プロトン移動を起こした後、１重項と３重項の間で項間交差が大きくなる構造変化があることを見出した。
上記の計算による解析以外に、高精度自由エネルギー算出法の提案、溶液内における構造決定法の提案も行なっている。
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