2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of reverse micellar catalysis system that promotes efficient visible-light photoredox reactions
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15K05421
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
高橋 雅樹 静岡大学, 工学部, 教授 (30313935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
依田 秀実 静岡大学, 工学部, 教授 (20201072)
仙石 哲也 静岡大学, 工学部, 准教授 (70451680)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 可視光増感反応 / 逆ミセル / 光触媒 / 両親媒性構造 / ラジカル二量化 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究成果により,独自に設計した逆ミセル光触媒系が青色LED光により特定の反応系において増感反応が可能であることが示されたことから,本年度はこの光触媒系に由来する反応特性を中心に調査を試みた。検討の過程において,光触媒の部分構造として用いていたフェナントロリンは可視光増感過程において安定性に乏しく,長時間に渡る増感反応には不向きであることが判明したため,これをより安定性が確保できるビピリジル誘導体に変更した。具体的には,このビピリジル誘導体の構造末端に疎水性部位を結合させ,親水性部位となるルテニウム錯体と一体化させることで両親媒性構造の光触媒とした。合成した光触媒は比較的低濃度のトルエン溶液で会合体を形成し,さらに,アセトニトリル溶液中ルテニウム錯体に特徴的な酸化還元特性を示した。光触媒の疎水性部位として脂肪鎖を用いた光触媒を利用し,同様の脂肪鎖が置換された臭化ベンジルへの可視光増感反応を試みたところ,臭化ベンジル由来のラジカルが二量化した生成物が主として得られた。脂肪鎖のない通常の光触媒を用いるとこの生成量が減少することから,両親媒性構造をもつ光触媒は特異的な生成物への選択性を示すことが判明した。さらに,疎水性部位として撥水性の高いパーフルオロアルキル鎖を用いたところ,パーフルオロアルキル鎖を置換した臭化ベンジルに対し,先と同様,選択的にラジカル二量化体が生成した。以上の結果より,光触媒に両親媒性構造を付与することにより,基質の分子構造に応じた特異的な反応性を期待できることが明らかとなった。
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Research Products
(17 results)