2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of redox-active oligopyrroles with functions of chiroptical switching and catalysis
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15K05424
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
瀬恒 潤一郎 神戸大学, 理学研究科, 名誉教授 (10117997)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | キロプティカル分子スイッチ / らせん不斉 / ヘリケート / オリゴピロール / 酸化還元 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では酸化還元活性を有する不斉色素を開発し、円偏光に対する吸収特性を電位で制御できる新光機能材料への展開を可能とする基礎研究を行うことを目的としている。 平成30年度ではヘキサピロールーα、ωージカルボアルデヒド、および、ヘキサピロールーα、ωージカルボアルドイミン金属錯体の立体化学、酸化還元、スペクトル特性に関する論文のまとめを行い、論文の執筆を行った。そのうち、弱い金属ー金属結合の可逆的生成により、分子不斉の変換が起こるという新しい知見を記載した論文はすでにChemistry _ A European Journalの2019年25巻22号のHot Paperに選定され。掲載された。 一方、分子末端に不斉源を導入し、且つ、分子鎖中央には2、5-位にOH基を有する1、4-ベンゼンスペーサーを持つヘキサピロールーα、ωージカルボアルドイミン金属錯体の特徴的な立体構造を決定することができた。この金属錯体ではスペーサー部分のOH基が金属に配位しているという点で、本研究課題で開発してきた従来のオリゴピロール金属錯体とは全く異なった構造を有していた。その可逆的酸化還元挙動をスペクトロエレクトロケミストリーで明らかにした。特に、CDスペクトルを用いたスペクトロエレクトロケミストリーにより、700nmから800nmに亘る長波長側での強いCDシグナルのON-OFFをプラスマイナス0.2V(銀ー硝酸銀参照電極)という穏やかな電位で実現することができた。この化合物の吸収スペクトルの波長、強度、酸化還元電位の位置については、本研究課題で開発した化合物の中で、最も優れた特性を持つことが分かった。
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Research Products
(4 results)