2017 Fiscal Year Annual Research Report
Rational design of organocatalysts with a DFT-based conformational search
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15K05431
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
蒲池 高志 福岡工業大学, 工学部, 准教授 (40403951)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 有機分子触媒 / 配座解析 / 密度汎関数法 |
Outline of Annual Research Achievements |
エステル類の不斉加水分解は、生体触媒によるエステル類の不斉加水分解は医薬品の合成中間体として有用な光学活性カルボン酸を得る手法として学術的、工業的に広く利用されている重要な反応である。しかし、生体触媒は、薄い基質濃度条件を必要とすることや、重量あたりの活性が低い等の欠点がある。これまでの不斉触媒分野における多大な研究の蓄積にもかかわらず、人工触媒による効率的なエステル不斉加水分解は、いまだ達成されていない。九州大学の共同研究者らは、Cinchona Alkaloid由来の四級アンモニウム塩を触媒として用いたN-保護アミノ酸の不斉塩基加水分解反応において高収率、高立体選択的に反応が進行することを見出している (最大99%収率, 90% ee)。 本年度は、この反応の立体選択性の起源を明らかにすべく、ConFinderプログラムによる高速配座探索手法とDFT計算を用いた反応機構解析を実施した。その結果、立体選択性の決定に関わる遷移状態 (TS) 構造を特定し、そのエネルギー差がが実験結果と一致することを見出した。またTS構造から、π-π相互作用と非古典的水素結合が立体選択性発現に重要な役割を果たすことが明らかとなった。また、理論計算から新規触媒の反応性を予測し、その精度を実験で再現する研究が進行中である。 また、実験化学者との共同研究の中で、ConFinderプログラムやDFT計算を実際の触媒設計に利用するために、インターフェイスの改善による省力化が必要となった。新たに、pythonプログラムを開発し、計算の設定や実行などの自動化を進めた。これをさらに推し進め、有機分子触媒の高速なスクリーニングを実現していく。
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Research Products
(5 results)