2018 Fiscal Year Annual Research Report
Syntheses of Donor-Acceptor Cyclooctatetraenes and Their Application to Organic Materials
Project/Area Number |
15K05440
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
折田 明浩 岡山理科大学, 工学部, 教授 (30262033)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | スルホン / 色素 / ドナー / アクセプター / 金属表面科学 / 脱保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,スルホニル基を電子求引基として利用した,ドナーアクセプタービニルスルホン型色素を合成した.この合成プロセスに,ワンポット法やワンショット法を利用することで,目的とするビニルスルホンを効率良く合成することに成功した.また,末端アセチレンのシリル保護基,あるいは,ホスホリル保護基を利用することで,効率良くビニルスルホン誘導体へ変換できることが分かった.こうして得られたビニルスルホン色素に対して,新たな機能を付与するために脱スルホン化反応を検討した.様々な光触媒存在下,光照射を行ったところ,高出力なキセノンランプを用いて反応を行った場合に低収率ではあるが,目的とする脱スルホン化が進行した.アルコキシ基など様々な置換基を有する誘導体にも本反応を適用可能であった.現在は,他の光触媒を用いたり,より簡便で安価なLEDを光源に用いた実験装置で本反応を検討している.こうした一連の脱スルホン研究の過程で,活性金属表面を用いた脱シリル反応にも取り組んだ.9,10位にシリルアセチレンを有するアントラセンを原料に用いて脱保護を行ったところ,得られた末端アセチレンは,すぐさま分解し,次の反応に利用することができなかった.そこで,専門家の力を借りながら,活性な金属表面を用いて脱保護,続くホモカップリングによる連結反応を行った.高真空・極低温下で金属表面上にシリルエチニルアントラセンを蒸着し,続いてアニーリングしたところ,目的とする脱シリル化-オリゴマー化が進行した.生成物は,高分解能走査型顕微鏡で確認した.また,詳細な顕微鏡観察と量子化学計算から本反応が,これまでに知られていない分子内シリル転位を含むことを明らかにした.
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Research Products
(18 results)