2017 Fiscal Year Annual Research Report
Structural change dynamics of molecular assembles of metal complexes observed by advanced time-resolved spectroscopy
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15K05447
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
岩村 宗高 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 講師 (60372942)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 超高速時間分解分光 / 金属原子間相互作用 / 会合体 / 構造変形 / 分子集合体 / 発光チューニング / 振動分光 / 励起会合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高速時間分解分光 テトラシアノ白金錯体水溶液に対する紫外光励起照射直後の過渡吸収信号に、白金ー白金間結合形成に伴う核波束運動に誘起された極めて強い振動が観測された。振幅の振動数から、溶液に多量の励起三量体と、微量の四量体が含まれていることが明らかとなった。また、金錯体のときに観測されたような大きな構造変型プロセスは観測されなかった。これは、直線型錯体が集積した金錯体に対して、平面型錯体が集積した構造である白金錯体会合体の構造の自由度の低さを反映していると考えられる。すなわち、金錯体で観測されたおおきな過渡吸収変化が、構造変型に対応するものであることを指示する結果となった。 励起会合体の構築 水溶液中において、何種類かの4級アミン系カチオン性ポリマーを共存させることにより、ジシアノ金会合体が高い収率で形成されることを見出した。また、ポリマー共存下では低濃度でも波長500nmの発光を示すことから、7量体から8量体の高い会合度の会合体が確認された。これらの会合体は、50%近くの高い発光量子収率を示した。これらの水溶液では、すべての金錯体が会合体を形成し、単量体が存在しない。X線分光では、単量体と多量体の区別が困難であるので、会合体を対象としたX線分光を行う際、この系を用いることで質の高いデータが得られることが大いに期待できる。 結晶中の会合体形成 テトラエチルアンモニウムをカウンターカチオンとしたジシアノ金結晶を合成し、これの発光スペクトル、発光寿命の圧力依存性、温度依存性を計測した。高圧、あるいは低温条件で3量体以上の会合体形成プロセスが阻害されることが明らかとなった。このことは、この結晶中の会合体の変型過程を外圧や温度によりコントロールできることを示す。
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Research Products
(6 results)