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2017 Fiscal Year Research-status Report

イオン性金属錯体の構造制御と機能性開発

Research Project

Project/Area Number 15K05452
Research InstitutionMeiji Gakuin University

Principal Investigator

井頭 麻子  明治学院大学, 法学部, 准教授 (20379275)

Project Period (FY) 2015-10-21 – 2019-03-31
Keywordsイオン性固体 / 空孔 / 気体吸着 / 水素結合
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、カチオンアニオン相互作用を利用し、構造および物性、それらの変換挙動、分子認識挙動が対イオンにより制御されるイオン成長分子錯体の創成を目指すものである。カチオン性金属錯体とアニオン性金属錯体から構成されるイオン性固体を研究対象としており、より積極的に弱い相互作用サイトを導入することによってイオン間相互作用を制御し、複雑な構造を有する対イオンを利用したイオン性固体化学を展開し、機能性開発を目指している。
平成29年度は、水素結合ドナーサイトをもつパラジウム(II)四核錯体カチオンと水素結合アクセプターサイトをもつ金(II)パラジウム(II)四核錯体アニオンからなるイオン性結晶の精密な構造解析およびその性質を調査した。錯体カチオンと錯体アニオンが水素結合によって連結された構造を有しており、その空隙率は43%であった。乾燥させたサンプルの粉末X線測定を行ったところ結晶性を保っており、強固な構造を有していることがわかる。通常、ディスクリートな構造からなるネットワーク構造は乾燥に弱く、今回利用した多重の水素結合ネットワーク構造の有用性がわかる。また、空隙を利用した吸脱着挙動を調査した。室温での水蒸気吸着等温線は、P/P0=0.97において197 cm3/gの吸着量を示すII型の吸着挙動を示し、BET比表面積は197 m2/gであった。一方、窒素、二酸化炭素についてはほとんど吸着しないことがわかり、合成したイオン結晶が親水性であることが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

これまでに、水素結合ドナーサイトを有するカチオン性錯体と水素結合アクセプターサイトを有するアニオン性錯体を組み合わせることにより、水素結合ネットワーク構造をもつイオン性固体を構築することに成功し、空隙率が40%を超える大きな空孔を有していることがわかった。その空孔を利用した気体吸着挙動について調査し、空孔が親水性であることを明らかにした。一方で、他のイオン性固体の構築に関しては現段階では成功しておらず、研究進捗状況は予定よりも少し遅れている状況である。

Strategy for Future Research Activity

昨年度は、水素結合ドナーサイトとしてビグアニド部位をもつカチオン性多核金属錯体と、水素結合アクセプターサイトとして非配位のカルボキシ基をもつアニオン性多核金属錯体を組み合わせることによって大きな空孔を有するイオン性固体の構築に成功し、その大きな空孔を利用してガス吸蔵や小分子の取り込み能および選択性について調査した。今後は、キラル選択的取り込みの可能性を調査すること、他の多核金属錯体を用いたイオン性個体の構築を行う予定である。さらに、pH変化や小分子取り込み等といった外部刺激に応答する構造変換および物性変換を行うことも目指す。

Causes of Carryover

試薬の使用量が見積もりよりも少なかったことが主な理由としてあげられる。また、合成に成功した化合物は、その構造決定や物性測定を多研究機関にて測定する予定であったが、新しく合成した化合物が少なかったために、その測定のための旅費支出が少なかったことも理由としてあげられる。
次年度に繰り越した助成金は、物品人して使用する予定である。具体的には、化合物の合成に必要な試薬及び器具を購入する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2017

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Ligand Exchange Reaction of (Me4N)4[Cd10S4(SPh)16] with Diphenyl Diselenide2017

    • Author(s)
      T. Tajima, S. Yamamoto, Y. Sakamoto, S. Takagi, T. Nakaya, Y. Takaguchi, A. Igashira-Kamiyama, N. Yoshinari, and T. Konno
    • Journal Title

      Bull. Chem. Soc. Jon.

      Volume: 90 Pages: 384-386

    • DOI

      doi.org/10.1246/bcsj.20160395

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 含硫アミノ酸類を含む金属多核錯体2017

    • Author(s)
      井頭麻子
    • Organizer
      上智大学理工学部 物質生命理工学科コロキウム
    • Invited

URL: 

Published: 2018-12-17  

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