2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new type of smart materials on the bases of helical polysaccharides
Project/Area Number |
15K05491
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
田丸 俊一 崇城大学, 工学部, 教授 (10454951)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 超分子化学 / らせん構造 / 多糖 / 自己組織化 / 耐性菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、三重らせん形成能をもつβ-1,3-グルカン類が示す、物質捕捉能を利用して機能性分子の秩序的複合化や分子集積などへの活用と目指すものである。 β-1,3-グルカンの一つである、カードランの側鎖に最も一般的な抗生物質の一つであるバンコマイシンを導入したバンコマイシン修飾カードラン(VGC)を合成した。予め合成したバンコマイシン誘導体をHuisgen環化反応を用いてアジド修飾カードランへと導入することで、バンコマイシン導入率が異なるVGCを効率的に合成することに成功した。低導入率のVGCは水に対する溶解性が若干劣るものの、三重らせん形成能を保持していることが確認された。一方、高導入率のVGCは比較的高い水溶性を示したものの、嵩高いバンコマイシンの立体的影響のため、三重らせん構造形成能を喪失していた。これらのVGCの抗菌活性を評価したところ、低導入率のVGCは満足な抗菌活性を示すことはなかったのに対して、高導入率のVGCはバンコマイシン対戦菌に対して、バンコマイシンに匹敵する抗菌活性を発現した。以上の結果は、1)多糖鎖に導入するために施したバンコマイシンへの化学修飾により、抗菌活性が低下するが、2)十分な密度のバンコマイシンを多糖上に集積させる事で、マルチバレンと効果に基づく抗菌活性の向上が期待される事を示唆している。バンコマイシンの導入率を最適化することで、三重らせん構造形成による高集積化が期待でき、高い抗菌活性を実現するVGCの開発が期待される。 さらに、低導入率のVGCは蛍光性ポリマーやカーボンナノチューブをらせん構造に巻き込んで、錯体を形成することが確認された。前者はVGCを利用した簡便な病原性菌の検出に、後者はカーボンナノチューブが近赤外光照射により発する活性酸素を利用した除菌、滅菌を実現する系として興味深い。
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Research Products
(6 results)