2016 Fiscal Year Research-status Report
新規アリール化の開発を基盤とするマクロ環状天然有機化合物の合成
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15K05493
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
佐藤 格 茨城大学, 理学部, 教授 (80318196)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 有機合成化学 / 全合成 / アリールエーテル / 生理活性化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではジアリールエーテルもしくはアリールエーテルによりマクロ環構造を形成している生理活性天然物の新規合成戦略を提案し,その全合成を行う。誘導体合成も視野に入れた一般性の高い合成法として,電子豊富な芳香族の直接的なエーテル化法を確立する。具体的な合成標的としてチューブリンの重合阻害剤であり第3級アルコールのアリールエーテルを持つ環状ペプチドであるウスチロキシン類の全合成を行う。ここまでに安価かつ安定で取り扱いの容易な3価のアリールビスマスをそのままアリ-ル化剤とするアリールエーテル形成手法の開発に成功した。まずアリールエーテル形成手法のさらなる改良としてトリアリールビスマス上のアリール基を1つとして残る2つの置換基をダミーリガントとしたより利便性の高いアリール化手法の開発に取り組んだ昨年度の実績をふまえ,全合成に向けてアリールエーテルを導入した光学活性アミノ酸の合成と,続くトリペプチドへの誘導を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度検討した,第3級アルコールへのアリールエーテル導入時期についての試行を終了し,全合成に向けて基質の誘導をほぼ順調に行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
標的化合物であるウスチロキシン類の全合成の完遂に優先順位を置き,その全合成に向けて合成を進める。またその際,ベータアミノ酸部分の合成手法については改めて検討を行い,収率の向上を図る
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Causes of Carryover |
昨年度の実績報告で述べたが,実験条件検討のため基質の大量合成をほぼ半年分先送りにした結果,試薬類の購入予定を年度をまたいで持ち越すことになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初予定していた通り,基質の大量合成に必要な試薬類の購入費に充てる
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