2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Efficient and Practical Synthetic Method of Silicon- and Boron-Containing Heteroaromatic Compounds by Dehydrogenative Coupling Reaction
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15K05505
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
土本 晃久 明治大学, 理工学部, 専任教授 (80313716)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ルイス酸 / 亜鉛 / 脱水素カップリング / 複素環 / 反応機構 / アニリン / インドール / ピロール |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は,脱水素ボリル化反応に関する研究を行なった。 具体的には,硫黄,酸素,窒素などのヘテロ元素や芳香環を含む様々なアルキンを,触媒としての Zn(OTf)2,促進剤としてのピリジンの存在下にプロピオニトリル溶媒中において HB(dan) と反応させることで, 多様なアルキニルーB(dan) が合成できることを明らかにした。同タイプの反応は以前にすでに報告しているが,今回は,この反応の基質の適用範囲をさらに広げたものである。現状では,42種類のアルキンがアルキニルーB(dan) へと変換可能であり,今回の検討を通して,極めて実用的な反応に仕上げることができた。 ここで得られたアルキニルーB(dan) については,引き続いての様々な変換反応に利用できる,優れた反応剤となりうることも明らかにした。最初に実現をしたのが,パラジウム触媒存在下に芳香族ハロゲン化物,複素芳香族ハロゲン化物,アルケニルハロゲン化物などと反応させることによる,鈴木ー宮浦クロスカップリング反応の実現である。これにより,様々な非対称内部アルキンが収率よく合成できることを明らかにした。この反応は,アルキンと HB(dan) の脱水素ボリル化で生じたアルキニルーB(dan) を単離することなく,引き続いての鈴木ー宮浦クロスカップリング反応を連続しておこなう,ワンポット反応として実現することも可能である。また,芳香族ハロゲン化物等の代わりに,アリル炭酸エステルを利用する非共役エンイン合成,酸クロリドを反応させる,イノン合成への展開も可能であることを示した。以上に加えて,アルキニルーB(dan) が,四置換アルケンの位置及び立体選択的合成にも展開できることを明らかにした。 以上の研究結果については,国際学術雑誌てある Adv. Synth. Catal. に full paper として投稿し,受理された。
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Research Products
(5 results)