2017 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration of universal methodology for high activity and insoluble catalyst development
Project/Area Number |
15K05510
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山田 陽一 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 副チームリーダー (50317723)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | パラジウム / 高分子ピリミジン / 水素化 / 溶媒選択性 / 高活性 / 鈴木-宮浦反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
新しい高活性な不溶性超分子型の高分子-パラジウム触媒の開発を行うために、親水性の高い~親油性の高い鎖状ポリピリミジンの調製を検討した。主鎖高分子にペンチル基、メチル基、プロトンが導入された高分子ピリミジンを調製した。この高分子と塩化パラジウム酸アンモニウムとの分子もつれを検討した結果、水にも有機溶媒にも不溶の超分子高分子ピリミジン―パラジウム触媒の創製に成功した。TEMにて観察の結果、平均粒径が3 nm程度のパラジウムナノ粒子が均一に高分子マトリックスに分散していた。 ペンチル基、メチル基、プロトンが導入された高分子ピリミジンとパラジウムから調製された超分子触媒を用いて1気圧水素雰囲気下、スチレンの水素化反応を、40 ℃、12時間で行ったところ、水中ではペンチル基が導入された高分子ピリミジン―パラジウム触媒を用いたときに、収率90%以上でフェニルエタンが得られた。対照的にメチルが導入された高分子ピリミジン―パラジウム触媒ではその収率は60%程度、プロトンが導入されたものでは収率が50%程度であった。 一方、シクロヘキサン中での水素化反応では、プロトンならびにメチル基が導入された高分子ピリミジン―パラジウム触媒により収率90%以上でフェニルエタンが得られた。しペンチル基が導入された高分子ピリミジン―パラジウム触媒ではその収率は40%程度であった。このように、高分子の親水性・親油性の導入により、水中反応、有機溶媒中反応での反応性制御に成功した。 またこの触媒は、反応性の低い様々な塩化アリールを基質したフェニルボロン酸との鈴木―宮浦反応に有効で、水中、触媒量 400 mol ppm Pd で効率的に反応を進行させ、対応するカップリング生成物を高い収率で与えた。基質をヨウ化トルエンとした場合、触媒量 400 mol ppm で機能し、対応するカップリング生成物を高い収率で与えた。
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Research Products
(18 results)