2017 Fiscal Year Annual Research Report
Time-Space Control of Functions of Polymer Micelles by Tuning Aggregation and Dynamics of Inclusion Materials
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15K05522
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| Research Institution | The University of Kitakyushu |
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Principal Investigator |
秋葉 勇 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (80282797)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 小角X線散乱 / 異常散乱 / 高分子ミセル |
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| Outline of Annual Research Achievements |
疎水性コアと親水性のシェルからなる高分子ミセルを薬物送達システムの薬剤キャリアーとして用いる場合、ミセルの疎水性コアに内包する薬剤物質の安定な保持と効率的な徐放が求められる。この特性を制御するためには高分子ミセル内における内包物質の凝集状態とダイナミクス制御が求められる。本申請課題では、放射光を用いた異常小角散乱(ASAXS)により高分子ミセル内におけるモデル薬剤化合物の空間分布を可視化し、ミセルからの徐放挙動と関連付けることを目的とした。
臭素ラベルした種々のモデル薬剤物質を内包した高分子ミセルに対する臭素のK吸収端近傍でのASAXS解析から、極性の高い化合物では、高分子ミセルの疎水性コアのみならず、一部がシェルにしみだしており、一方、疎水性の高い薬剤はミセルの疎水性ドメイン内に凝集していることを見出した。この違いは、薬剤化合物と媒体である水との親和性により生じることが分かった。このように内包薬剤の空間配置が異なる高分子ミセルに対して、徐放速度を検討した。その結果、徐放速度がミセル内における薬剤物質の初期配置に強く依存し、疎水性の高い薬剤はほぼ放出されないことが分かった。また、疎水性の高い薬剤化合物であっても、疎水性コアを形成する高分子のガラス転移温度より十分に硬い温度では、速度は遅いが徐々に放出されることが分かった。以上の結果から、高分子ミセルに内包された薬剤化合物の放出挙動は、初期の空間配置とコア内部での分子運動性に強く依存することが分かり、均一に分散し、運動性が高いほど速く徐放されることを見出した。
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