2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Highly-sensitive Technique in Microchip Electrophoretic Analysis of Biomolecules
Project/Area Number |
15K05527
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
北川 文彦 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (20362452)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 分離分析 / マイクロチップ / 電気泳動分析 / オンライン試料濃縮 / 高感度分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
チャネル全体に注入した試料溶液を濃縮(LVSEP法)したうえで,試料リザーバーから目的成分を供給しながら濃縮(PAEKI法)を行うマイクロチップ電気泳動分析において,カチオン性の試料成分を濃縮するために真空乾燥法によるカチオン性ポリマー修飾について検討を行ったところ,ポリブレンでは修飾層が不安定で電気浸透流(EOF)速度が遅いことがわかった。そこで修飾層をより安定させるため,ポリビニルアルコール(PVA)とポリアリルアミンの混合ポリマーを修飾したところ,EOF速度が増加し,安定性も向上することがわかった。そこで,この修飾を用いて標準試料であるローダミン色素のLVSEP分析を行ったところ,濃縮率は100倍程度と良好であった。さらに生理活性アミン分析への応用を目指し,蛍光ラベルしたヒスタミンを分析したところ,濃縮率は最大120倍に達し,ヒスチジンと混合した際にはピーク分離が確認された。したがってLVSEP-PAEKI法により,アミン類に代表される生体内カチオン種を簡易な操作で超高感度に分離分析できることが期待される。 一方,PVA修飾を施したマイクロチップにおいて,LVSEP-PAEKI法に影響を及ぼす因子を検討したところ,-1価の標準色素では20Pa印加したときに最も鋭いピークが観測され,濃縮率は10000倍に達した。これに対し,-3価の色素では圧力を40Paとすると濃縮率が13000倍と最大となり,価数の大きく異なる成分を含む試料の分析の際には,印加圧力の設定が重要であることが示された。この知見を元にペプチドをLVSEP-PAEKI分析したところ,angiotensin IとIIで濃縮率は550,1540倍となり,分離度も1.56と良好な分離を達成した。したがって,LVSEP-FASI法の適用により高感度化を達成し,生体試料分析へも応用できることが確認された。
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