2017 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of a Pipette Tip Tumor Marker Immunosensor with a Plasmonic chip based a Surface Plasmon Enhanced Fluorescence detection
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15K05540
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高野 恵里 神戸大学, 工学研究科, 学術研究員 (20634645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田和 圭子 関西学院大学, 理工学部, 教授 (80344109)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | イムノセンサ / 腫瘍マーカー / 表面プラズモン励起増強蛍光 / サンドイッチアッセイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、表面プラズモン励起による蛍光増強可能な波長オーダーの周期構造を持つ格子結合型プラズモニック微小反応板を内部に組み込むようデザインされたピペットチップ(SPF-反応板内蔵チップ)を用いて反応・吸着・洗浄・蛍光測定までを自動で行う「ピペットチップ型腫瘍マーカーイムノセンサ」を構築することを試みた。 高感度測定のためのバックグラウンドの低減とアッセイの時間短縮について最適化を進めるため、まず、周期構造を持たない金属薄膜スパッタ反応版にて検出条件の検討を行った。抗体のFc領域特異的結合能を持つプロテインAを介して腫瘍マーカータンパク質に対する補足抗体を配向固定化させることで、補足抗体を直接固定化した場合と比較し、より高感度で検出可能であることがわかった。また、検出用の蛍光ラベル化抗体について、全IgGあるいはFc領域のないFabまたはF(ab')2フラグメントを用いた場合、フラグメント抗体ではバックグラウンドの蛍光シグナルが減少し、F(ab')2フラグメントの場合に最も高いシグナル/ノイズ比が得られた。この条件にて、アッセイ時間を短縮させるため、抗原抗体反応時に溶液の吸引吐出を繰り返して反応させる方法について検討し、インキュベーションの時間を約200分から約10分以下にすることができ、かつ短縮させた場合についても長時間のインキュベーションで得られた結果と同等のシグナル/ノイズ比が得られることを確認した。これらの条件をもとに、SPF-反応板内蔵チップを用いて、検出器を搭載した自動分注ロボットにて肝臓がんのバイオマーカーであるα-fetoprotein(AFP)のサンドイッチアッセイを行った。周期構造を持たない場合と比較し、周期構造部分では蛍光増強が確認され、SPF-反応板内蔵チップを用いることによりサブng/mLのAFPを検出可能であることを確認した。
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