2015 Fiscal Year Research-status Report
質量分析のための高分子担持型光開裂性分子プローブの開発
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15K05543
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
真木 俊英 長崎大学, 産学官連携戦略本部, 准教授 (10291535)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 質量分析 / 標識剤 / イオン化 / ポルフィリン |
Outline of Annual Research Achievements |
従来よりも大きな分子量の標識とイオン化に耐える、イオン化標識剤を目指して開発研究を行った。 テトラフェニルポルフィリン構造に分子鎖、および標的分子補足部位を導入した質量分析用イオン化標識剤の候補分子を合成し、その性能を検証した。その結果、炭素―窒素結合がイオン化により容易に切断されることが判明した。ま一方、エーテル結合は、イオン化条件下で殆ど切断されずに、標識化された分子を維持できることを明らかにした。 また、分子鎖をポリエチレングリコール鎖とすることにより、疎水性分子のみならず親水性の標的分子を効果的に補足できることを明らかにした。 更に、ポルフィリンの分子対称性を利用して、標的分子との結合率を質量分析により統計的な混合物分子が発生することを利用して、反応率を質量スペクトルとして読み出すことができることを示した。 これらの分子標識剤および分析方法を活用して、ポリマー表面等の限られた反応場における特異な反応性を検出できる基礎的な技術を開発を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定されていた分子をそのまま新しい研究に適用することはできなかったものの、研究目的を達成するために、より優れた性能を有する分子デバイスを開発することができた。進捗状況は順調であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度で開発した。ポルフィリン分子標識剤を用いて、アミノ酸類を効果的に補足する分子補足部位の検討を行う。フィルム形成可能な分子量で標識剤を開発できており、目的達成に近づいている。しかし、検出感度の観点からは、これまでの研究より、分子標識による分析においては、既存の結合形成反応では、速度が十分であるとは言えない状態である。そこで、新しい活性化分子、またはポルフィリン反応場を利用した反応加速の方法論が必要であると考えている。 これまでの研究成果をふまえ、高感度検出可能な誘導化部位および活性化法の確立を目指す。
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Causes of Carryover |
大学内での研究室の移転作業が発生し、年度末に活動ができなくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新たに開発した分子の試験測定の一部を実施を次年度の計画と併せて実施する予定である。
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